『素顔のままで』をご覧の方へ

すべてご覧になりましたか?その方はご苦労様でした。写真点数の多さに驚かれたことでしょう。
これからご覧になる方は、是非繋ぎ放題の申し込みをしましょう! 
それぐらい思いっきりアップしています。しかし、ただ単にセレクトするのをサボっているわけで
はないのです。まなちゃんがモデルの『素顔のままで』についてはGalleryの他のモデルた
ちとは、違ってまなちゃんと私の二人で作っているとお考え下さい。
どうしても、セレクト版が見たい方は、撮影雑記のダイジェスト版、もしくはベスト版ページをご
覧下さい。

普通、Webサイトにアップされているポートレートとは一味違うと自負しております。
カメラマンがモデルを探してきたり雇って撮影するケースとはまったく違い、二人ではじめたプラ
イベート撮影の記録なのです。
ですから、撮った写真は私のものだけではなく、まなちゃんのものとも言えるのです。

98年の8月から初めて、98年だけで7回を数えたわけですが、ただ単に撮影したわけではあり
ません。2回目以降からは事前にプランを練って、まなちゃんと相談し撮影地もそれに沿って考え
ています。またその逆で撮影地をロケハンしてそこからイメージを膨らませていくというパターン
もあります。それらすべては私一人で決めているわけではないのです。

私がある程度考えて、それを思い付いた時点でまなちゃんにメールで伝えます。それに似たイメー
ジの写真や、撮影地の写真などがあればそれをスキャンしていっしょに送ることも少なくありませ
ん。それらを元にまなちゃんは自分なりにイメージを描いて、メイクやヘアスタイル、ファッショ
ンを考えてくれます。ですから、私はシチュエーションの輪郭をまなちゃんに伝えるのであり、枠
にはめるようなことは決してしていません。

撮影日になるとまなちゃんはしっかり自分のイメージを持って私の前に現れます。当然私もシチュ
エーションの構想が浮かんだ時点からイメージ作りに入っています。そのイメージはお互いの頭の
中にあって、公開されないまま撮影に入るわけです。
しかし、それが撮影中にぶつかり合うことはなく、うまく融合しているのですから不思議なもので
すね。ですから、私はシャッターを押す前に仕上がりのイメージが出来ていますので、そのイメー
ジをフィルムに焼き付けるために、レンズや露出を決めています。

まなちゃんは、その日のロケーションやシチュエーションに敏感に反応し、そこに溶け込んでしま
います。だから、無理に演じているのではないのです。その時のその場所にいるまなちゃんは創ら
れたものではなく、まなちゃんの感性の中で流れるイメージの中に身を置いているだけなのだと私
は思っています。

そんな撮影があると思えば、もっと楽に日常的な部分を前面に押し出した撮影もあります。その時
は、出来るだけまなちゃん本来の表情を捕まえるようにしていますが、様々な表情や仕種はまだま
だ撮りきれてはいません。
まさに打てば響くとでもいうのでしょうか、これほど私の感性に語りかけてくれたモデルはいない
のです。

写真には日常と非日常があると思うんです。まなちゃんはその両方を表現させてくれます。
私もまなちゃんも決して無理をしているわけではなく自然に任せているのですが、それは非常に大
切なことで、撮影後疲れてしまうようなものでは続けることは出来ません。私との撮影を楽しみに
してくれているから、私も撮影プランを練るのが楽しく感じるのだと思っています。

私はモデルの動きを見、表情を追いかけて撮るタイプで、『素顔のままで』が始まる前、最初にま
なちゃんを撮った時に、今まで出会ったことの無い不思議な魅力を持ったモデルであると感じたわ
けですが、その時のまなちゃんと『素顔のままで』のまなちゃんは同じ顔かたちではありますが、
まったくの別人に私は見えるのです。それは同じ撮り手とモデルという関係でありながら、二人で
作っていく写真であるという基本的なスタンスと、そのような撮影ができるような信頼関係が築け
たからかも知れません。  
                                   1999/01/14
         
                                         
また、このサイトに興味をお持ちでしたら、ぜひ撮影雑記へお越し下さい。
まなちゃんとの撮影のことや、いろいろなポートレートに関することを書き綴っておりますので。