新年の便り
新年早々、私に対して初めての方からメールが舞い込んできた。
その二人の方は、どちらも私の撮り続けている『素顔のままで』と撮影雑記に影響されたという事
で共通していたが、内容は少々違ったものであった。
一人の方は、私の撮り方や考え方に共感してくれて、「すべてモデルと自分との共同作業、ゼロか
ら作品を作り上げていくというのが大前提の撮影です・・・」という自らの撮影も語ってくれてい
た。また、『素顔のままで』を目標にしたいという嬉しい言葉を頂いた。
そう、このモデルとの“共同作業”ということを考えているのかな?って思わされることも最近多
いのである。自分一人の力で創っていると思い込んでいる人がいるように思えてならない。
そんな人に私がとやかく意見しても、聞き入れられない時期ってあるのかもしれないし、余計に反
発を食うだけなのかも・・・ 自分で気が付くのを待つしかなんだろうねぇ。
ちょっと、横道にそれかかったが、この話題についてはまた改めて時間をとることにする。
もう一人の方は・・・ うーん相談メールってところだろうか。今までにも何人かから同じような
質問や相談は受けたことがあるが、悩んで当然なのかもしれない。
早い話が、モデルの女の子に対しての恋愛感情についてである。
私とまなちゃんのことを、どのように思われて書かれたのか、はっきりしなかったが、恋人同士で
あると思われている人も多いかもしれない。
モデルとカメラマンの関係から一歩進むと、それが必ずしも一線を超えたということなのかな?
2、3回の撮影でそこまで考えを飛躍してしまうと、同じような撮影が続けられるのか疑問である
し、彼は今後そのモデルの女の子に何を求めているのだろう・・・?
たしかに、惚れ込んで撮影することは、すごく力になると思うしそれが写真に自然と現れてくるこ
とはある。
しかし、対モデルとしての付き合いから、一足飛びに進めてしまうのではなく、もっと素晴らしい
関係を見出してほしいものである。
今年も沢山の年賀状をいただいた。それをパラパラと見ていて、見覚えのある写真が目に入ったの
だが、それは私がまなちゃんに作ってあげたものであった。
まなちゃん、書いてくれてたのか・・・って思いながら、よく見てみると、宛名の下にいっぱいメ
ッセージを書いてアメリカに発つ前に送り返してくれていたのである。
これからも仲良く一緒に『素顔のままで』を続けていけるようにと、アメリカのカウントダウンで
祈っとくよって言葉を添えて。
この一節に集約されているのではないだろうか、二人の共同作品であるということについても、モ
デルとの付き合い方に悩んでいる人に対しても。
しかし、思いもかけない新年のメッセージに私としても「やられた・・・」という気分であり、嬉
しさも倍増である。
お互い無理することなく、いつの間にか出来上がった今の関係であるが、それが『素顔のままで』
という形で残せていることは、二人にとって幸せなことである。
また、私もまなちゃんも、外野の意見に左右されることが無いという共通点があるが、それはここ
までやってこれたことに大きく関係しているのかもしれない。
特に、日本人は外から耳に入ってくることに対して影響を受けたり思い込んでしまう傾向があるよ
うに思うのだ。いちいち、気にするほど自分達のやってることに自信がないのか、回りが気になる
のか知らないが。