EOS−1V導入Step5


私が今まで続けてきた撮影の流れというものがあるが、それを今更変えろと言われても困るのであ
る。完全マニュアルからAEへ、MFからAFへと嬉しい技術の進歩に応じて変えるのであれば、
価値もあって気分良く変える気にもなる。

例えば、イチローが打席に入ってから、毎回同じリズムの同じ動作で投球モーションを待っている
が、あれを変えられてしまうようなものである。って例えが良すぎたな。

そんなこともあって、私はEOS−1系の操作の一貫性については評価しているのである。
EOS−3とて同じ事であるが、ここで45点というとんでもないAF機能が登場したわけだが、
それに対しては、キヤノンお得意の視線入力という武器で対応してきた。
世間では評価の分かれていた視線入力だが、上手く使えない人は目玉がゆがんでるか、カメラのホ
ールディングに悪い癖がある人であって、偉そうに視線入力が使えないなどと言うこと自体恥ずか
しくないのか?と思っていた。

そんな状況の中で登場した1Vは45点のAF精度を磨き上げて搭載してきたのは、当然であると
驚きもしなかったし、クロスセンサーの配置が3と同じであるところなど、不満が解消されるには
至らなかった。
さらに、背面のサブ電子ダイヤルも今まで通りでがっかりさせられたのである。

45点のAFや10コマ/秒を可能にした努力をもう少し操作面に反映して欲しいと、今回の1V
に関しては強く感じるのである。
あれだけの技術があって、それを活かすだけの操作を提供できないはずは無いと思うのだが、そん
なに難しいことだろうか?

1Vとなって視線入力を外しましたが、その変わりに便利でもないアシストボタンを付けましたと
言うことであろうが、そんなもので45点もの測距点を有効に使えるはずも無い。
最高の素材があっても、それを料理できなければ腐らせてしまうだけである。
または、最高のエンジンがあっても、それの性能を受け止められるシャーシがあって初めていいマ
シンとなるわけだ。

先に、EOS−1伝統の操作性を維持していることはいい事だと書いたが、その前に技術の進歩に
伴う前向きな変更であれば、喜んで受け入れるのだ。
それぐらいの順応性は持っているつもりであるし、状況によって切り替えることもできる。
10年以上前の操作性が、完全に最新のハイテクに追い越されはるか遠くへ行ってしまっているで
はないか。

クルマの運転だって、MTであればヒールアンドトウでのダブルクラッチも踏めるし、ATならお
気楽運転もすれば、タイトなコーナーが迫れば左足でブレ−キングしながら右足でエンジンの回転
が落ちきらないように調節しながらタービンの背圧を調整することも楽しみながらやっている。

だから、この1Vのボディーに与えられたマンマシンインターフェイスは、期待したパーソナルフ
ァンクションでも、そう大きく変えられないのだから、私が楽しんでベストの操作性を探し、身体
で覚えるしかないだろう。
ただ、AEロックがAFフレーム変更ボタンを押すと解除されてしまうことだけは、絶対に理解で
きないし、大きな妨げになっていることだけは確かである。

人間練習して慣れれば、ある程度のことはやってやれないことは無い。しかし、どうしようもない
仕様で作って、これを使えと出されても、それが理屈に合っていなければメーカーの認識不足であ
ると言われても仕方がないことだ。
このJoe's Galleryはキヤノンをはじめとしてカメラメーカーからアクセスがあることは分かってい
る。これを読んで反論できるのであれば、ぜひ私を納得させていただきたいものだ。

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