超久々の撮影会体験


今回、ちょっと考えることがあって、撮影会に参加してきた。
まぁ、個人撮影だけで手一杯である私だが、時にはこんな刺激を求めたくなるものである。
去年の暮にも、ここでそんな事考えていると書いたが、いろいろスケジュール的に実現できていな
かったわけで、今回やっと有言実行を果たせたわけだ。

さて、そうなると何処の撮影会に参加するかってことになるが、私が広島に行ってない時は毎週末
過ごしている神戸でやっているところがあったのだ。こんなに都合のいい事はないし、出るモデル
がまた重要だが、レースクィーンとかの情報に疎い私でも、よーく知ってる・・・と言っても一方
的に私が知ってるだけなのだが、相馬茜ちゃんが神戸に来るってことでこれは行ってみようという
気になった。
茜ちゃんと言えば、馬場信幸氏が執筆している露出やレンズの解説ではレギュラー的に起用されて
いるモデルさんであるから、撮影雑記を読んでる人にはお馴染みかもしれないな。

こんな風に作例でよく使われているモデルさんは、結構印象に残る事が多く、サンダーであれば、
ユミちゃんなんかが悪戯っぽい感じで私は好きだ。そのユミちゃんと同じく一度撮ってみたいと思
っていたのが、茜ちゃんだったわけで、いい条件が揃ったことになる。もちろん私が撮影するので
あるから天気が悪いわけもない。

さて、撮影会が始まる30分前には、いつものように集合場所である神戸夢風船の北野一丁目駅に
着いていた私だが、とにかく時間ギリギリというのが何より嫌いな私である。
そうこうしている間に、続々と参加者が集まってきたが、みんな顔見知りであるような感じである。
しかし、そうであろうことは予想していたし、私にとってはその方がよかったのである。
まず、一人で参加するということ。友達同士でウダウダやってる場合じゃないのだ。
それから、常連さんたちの中で、如何に嫌がられずに、自分の撮影を貫けるかが課題の一つでもあ
った。

そして、茜ちゃんをはじめとする3人のモデルが到着したのだが、その時は正直言って場違いな所
に来てしまった・・・参ったなぁこの雰囲気は・・・なんて感じであった。
まさに、ファンの集いとでも言うべき世界であり、顔見知りのカメラマンたちとの再会を楽しんで
いるモデルたちの打ち解けたこの空気の中に入り込めるだろうか・・・って思ってしまった。

ここで、茜ちゃんの第一印象だが、今まで誌上で見ていたのより痩せたように見えた。そして、何
よりもイメージが違ったのが、なんて楽しい子なんだってこと。
写真でしか見たことが無かったが、こんな茜ちゃんだってことは、どれからも伝わんなかったぞ。

いざ撮影となったが、いきなり私は撮影会スペシャルのひとつを久しぶりにバックの奥から引っ張
り出した。これは多分まなちゃんとの多くの撮影では使った事がないと思うが、撮影会になると私
がよく使う手である。特に切り分けしているつもりは無いが、個人撮影では使った記憶が無い。

それを見た茜ちゃんの反応は「なんですかーそれぇ〜」って予想通りの反応で、これをやるとまず
モデルの注意を一身に受けることになる。今までこれで無視された経験はないが、シカトされたら
掴みは失敗ってことかもね。

その後、撮影している間、茜ちゃんの顔の向きや、レフの当たり具合を細かくチェックさせてもら
ったが、レフを持ってくれているスタッフの人も、私が注文をつけることを歓迎してくれているよ
うでもあった。実際、そんなことお構いなしで、トップライトで前髪の陰が汚く落ちていても誰も
何も言わないし、レフとバックのバランスだって考えている人がいるとは思えなかったのであるか
ら、私もでしゃばりたくないと思いつつ、黙っていられなかったのである。
撮影の流れが途切れるとかそう言う次元のものではないと思っている。

こう書くと静かな撮影会のようだが、まったくそんな事は無く、賑やかで楽しい雰囲気なのだ。
茜ちゃんも仕事をしてるというよりも、一緒に撮影会を楽しんでいるようで、逆に彼女がペースを
握っているようにも見えた。
そんな撮影会であるが、茜ちゃんがカメラを構えている人に笑顔を向けてシャッターを切るという
リズムで流れている。確かに彼女の笑顔を見ると撮らされてしまうのは分からないでもないが、そ
れでは、私としては物足りない。とにかく色んなメディアに登場している茜ちゃんと違った何かが
撮れてなければ、私の今回の試みは意味をなさないのである。
それも、最初に撮影会スペシャルを出した後に、「HPでアップして見るのすごっく楽しみにして
ますからね!」と言われたもんだから、茜ちゃんのためにもいいものを撮ってやろうと思ったのだ。
これは、いつも私が心掛けている基本スタンスであって、もうまなちゃん撮るときなんかそれのみ
だもんね。

だから、茜ちゃんが休憩中に、「次は目線を外したのを撮るからね・・・・」とちょっと打ち合わ
せをこっそりやったりもした。そしたら、撮影中に「ねぇ、どこ見てればいいですかぁー?」なん
て大きな声で聞くんだもんなぁ。「その時はちゃんと言うから待ってて」なんて答えたが、実際に
やってもらったら、さすがにしっかり様になってたね。

とにかく、茜ちゃんはどんどん自分からカメラマンに声を掛けていくのだが、彼女のファンである
彼らとの、面白いやり取りであっという間に30分ほど経ってしまう感じである。
ただ、彼らを見ていると、茜ちゃんとの会話に熱中してて、少しもシャッターを切っていないのだ
が、私はどうせ見とれるのならファインダー越しに見て、永遠に記録してしまう方法を取る。
そんな撮影が、『素顔のままで』である。

茜ちゃん語録も色々あって、こんなにしゃべりまくるモデルは今まで見たことがないが、それがい
いリズムを出しているようだ。いつだってそんなにしゃべっているいるわけでもないだろうし、し
っかりプロとしてわきまえた上での楽しいおしゃべりだ。
これがキヤノンやフジフィルムなどの主催する大規模な撮影会であったら、今回のような楽しい雰
囲気にはならなかったはずだ。その点今回は、力の抜けた素の茜ちゃんを見るには最高の条件であ
ったようだ。
茜ちゃん語録をひとつ紹介すれば、近所のおじさんが通りかかって、「あんたモデルさん?」って
聞いたら、「うぅん、ちがうヨ、カリスマ店員!」って言ったのには笑った。
馬場信幸氏の撮影した茜ちゃんのイメージとまったく違ったお茶目な茜ちゃんであった。

私のその日の予定は午前の部だけ参加するつもりだったが、午前最後の撮影場所になった、異人館
のフランス料理店で、茜ちゃんたちと食事をした後、一旦別れたのであるが、私のその後の予定が
急にキャンセルとなったため、午後の撮影会の場所であるメリケンパークに向かった。
そこで、普通ならこんな楽しい撮影会であるから、午後の部にも参加したと思うでしょ?
ところがどっこい、違うのだ。

その時、私の左肩には20kgを超えるカメラバックはなかったのである。その代わりロールレフ
だけを持って、レフ係を無理やりさせてもらいに行ったのである。
初参加で、主催者様ともその日初めて会ったというのに、この図々しさはなんだろう?

ただ、今回撮影会に参加しようと思ったのには、いろいろ思うことがあって、完全にカメラを置い
て外から見るのも悪くないなと思っていて、そのチャンスであったのだ。
でもなぁ・・・邪魔しちまう可能性もあるわけだし、こんな飛び入りアシの参加なんて今まで無か
ったことだろうし・・・なんて考えたが、このいい天気でメリケンパークなのだから、しっかりレ
フを効かせないとバックが真っ白に飛びまくってしまうのは目に見えているので、それを考えると
暇を持て余すぐらいならと、出かけていったのである。

そして、初めてカメラを持たずに撮影会に出て、撮っている人たちや、ファインダー越しでないモ
デルたちの動きやポージングを見せてもらうことが出来たし、作品撮りの場としてはいささか楽し
すぎるかもしれないが、ある意味最高の雰囲気をキープし続ける茜ちゃんや彼らを見て、こういう
体験もしてみるもんだと思ったのだった。
また、多くのカメラマンが撮る撮影会と、私が行っているマンツーマンの撮影では大きくレフの位
置が違うと言うことだ。私は、レフが1番いいポジションをキープするものだと思って今までやっ
て来たが、撮影会では誰の邪魔にもなってはいけないのだ。その中で最高のポジションを探る作業
も、また面白い。

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