『彩風Kaze』第4弾
土曜日は、久々にゆみちゃんとの撮影が出来た。
去年の10月以来であるから、かなりの間が空いてしまったことになるが、その間いろいろとお互いのスケジュールが合わず、やっと第4弾といった感じだが、ちょっと風邪気味ながら元気に私の前に現れてくれた。
今回は、ゆみちゃんがお昼過ぎまで用があり、その後から撮影ということになった。
そうなると、1分1秒が惜しいので、ゆみちゃんが戻る時間に合わせて、彼女のマンションの前で待つことにした。
その前に、今回も協力してくれたKeikoさんを午前中に迎えに行っており、ゆみちゃんの帰りを待ちながら、車中で簡単に昼食を済ました。
とにかく、無駄な時間は省きたかったのである。天気予報ではかなりの降水確率で、午前中神戸から西宮辺りを走っている頃には、フロントガラスに大粒の雨が当たっていたのだから、当然分厚い雨雲に覆われた状態で、夕方になると相当撮影は難しくなると考えていた。
それで、ゆみちゃんが1時半過ぎに戻ってきたので、すぐに部屋にズカズカと上がりこんでヘアメイクの開始。私はゆみちゃんのPCの修理と画像ビューアのインストールをし、HDのお掃除に取り掛かった。
初対面のKeikoさんとゆみちゃんも、メールや電話のやり取りが今まで何度もあったので古い付き合いの二人を見てるようであり、メイクもどんどん進んでいく。
でも、なんだかんだで、ヘアメイクや衣装が決まってゆみちゃんの部屋を出たのが、3時半を過ぎており、今回のロケ地である天保山に到着したのが4時。
そして、一本目のフィルムが回りだしたのが4時半丁度である。これは、EOS−1VのPCとのリンクソフトで取り込めば、フィルムを入れた時間までもが分かるのである。
その一本を撮り出す直前に、ロールレフを固定する金具のパーツがトランク内の振動で外れているのに気付き、探しに戻ったり、一本撮りかけた段階で、天保山のガードマンが飛んできて、撮影許可云々の話しになり、管理事務所に許可を取りに行ったが、自由に撮っていいよと言われて、なんなんだよー。なんてことで、どんどん時間が過ぎて行くのである。それで2本目のフィルムが5時のセットとなった。普通ならISO400のネガでも危うい状態である。
しかし、ゆみちゃんが相手であれば1時間あれば充分なんとか出来る自信はあった。たとえそれが曇り空の夕方であろうと。とにかく雨が降りだす前にやっつけてしまわないと・・・という気は常にあった。
前半はメイクと黒いワンピも手伝って、いつもよりちょっぴり大人っぽく見える。
そんなゆみちゃんを見て、私が感じたのは無機質な世界との組み合わせである。であるから、木々や花などは一切登場してこない。
また、コンクリートの柱との組み合わせでは、LBB2/CC5Bのフィルターを組み合わせて、さらにクールな感じを出してみた。
ただ、こういうフィルターの効果は、デジタルの世界では簡単に創り出すことが可能だが、それをやるのは、邪道中の邪道ってことで、これをやったら私も終わりだと思っている。
便利と手抜きは違うし、こういうのは撮影の時に何かを感じてやるべきで、それをその場でゆみちゃんにも説明しているし、実際に1Vのファインダーを覗いてもらって雰囲気を感じてもらっているのである。
前半最後の6本目のフィルムを詰めたのが、5時35分で、そこで衣装とヘアメイクのチェンジと言うことになった。
こうなりゃ、時間との勝負である。
後半は、一気にカワイイ系であり、太陽の下で撮りたかったと思わせるゆみちゃんが出来上がっていたが、やっぱりこのパターンはゆみちゃんの真骨頂発揮である。撮影再開は6時半で、辺りはもう完全にトワイライトゾーンに突入しているが、こんな時でもストロボをギリギリまで使いたくなかったので、ゆみちゃんの真ん前にレフを固定し、そのレフの脇からレンズを出して撮るような状態である。
それに、開放でスローなシャッター速度であるから、手ブレ被写体ブレは免れない。
更に曇り空で肌の色が濁るのがいやなので、2段近くプラス補正をかけているのだから1/100秒以上など夢物語である。
こんな状況ではレフが一番のベストポジションをキープすることになる。そんな状況であるから、引きで撮ることは不可能となり、せっかくのオレンジのスカートを撮ってやれない・・・ そこで仕方ないのでスローシンクロでレフを脇に追いやって、引きで撮ることにしたが、そうなるとゆみちゃんも得意の動きを見せてくれる。
しかし、スローなシャッターでは、ゆみちゃんの動きは止められない・・・
ここで、バシッとストロボを効かせて高速シャッターなんか切ってしまうと、台無しであるから、結局こんな条件で撮影することに無理がある。
前半でも、ゆみちゃんは動きたくてウズウズ状態になることがあったのだが、動くとなれば大口径の開放と言うわけにもいかず、それでいて光不足でシャッター速度が稼げないのだが、結果オーライ、ブレも味のうちということで、ゆみちゃんを何度か解き放してあげたが、是非早い時間のスタートと、いい天気での撮影を実現してあげたいと思った。
しかし、撮影中一滴の雨も降らなかったのは、ラッキーであったが、今回ほど苦労した撮影は過去に無かったと言える。
結局7時過ぎまで撮影したのだが、辺りはかなり暗くなっており、自然光での撮影は完全に無理であり、蛍光灯の光で撮ってみたりといろいろやってみたが、私の本来のスタイルからはズレてしまったように思うのである。そういうことに頭を悩まさずに、100%ゆみちゃんと向かい合いたかったのだ。
今まで、ゆみちゃんとの撮影では、明るさを全面に出した撮影が多かったが、今回はオンナっぽい部分も感じ、動のゆみちゃんのイメージから新しいゆみちゃんの発見があったのである。それこそ新しいKazeをこれから吹かせてくれそうな予感であった。