『素顔のままで』第22弾!その2
久々の広島となった22弾であるが、『素顔のままで』が始まって丁度2年が経過したことになる。その間、色んな所に出かけたし、色んな話をしてきた。
そう言うものは、どんな演出も及ばない財産であると感じている。
そして、舞台の中心を広島県北部に移ったが、私にとってはそれはまったく障害にはならなかった。それどころか、私の好きな自然の中で、誰にも邪魔されずにまなちゃんと二人っきりの時間が持てるのだ。神戸や大阪ではそうは行かない。
それに、まなちゃんが育った地であることが、メンタル的に大きいのである。
20回以上も撮影を続けていれば、マンネリ化してしまいそうなものだが、今回の撮影でも次回に撮りたいイメージがいくつか見つかったりするのである。
私が、まなちゃんを撮り続けるのは多くの理由があるが、そのひとつが撮影での相性である。私が意図したことをいついち説明する必要がないのだ。
何かを感じてその場所を選び、そこで撮影をしようと思えば、ちゃんとそのイメージ通りのまなちゃんが目の前にいる。これほど気持ちのいいことはない。
しかし、出会いの時には驚かされたものだ。「こんなモデルがいたのか!」と思ったのだが、後にも先にも、カメラマンにこれほど媚びを売らずに、撮影会のモデルができているのを見たことがない。ニッコリ笑ってハイポーズ。今度はあっちでハイ撮って!って感じが普通であり常識だが、まなちゃんはそうではなかった。
完全に、自分で流れをつくれるモデルだと思い、こんなモデルを独り占めにしてみたいと初めて感じたものだ。
そんなまなちゃんが私だけのために、レンズを見つめその奥の私を感じて目の前にいるのだ。
まなちゃんと過ごす時間は、撮影が半分で残りはまなちゃんが楽しんでくれることに費やしたいと私はいつも思っているが、それは言い換えればそれはそのまま私の楽しみでもあるのだ。
そういうことで、今回は土曜日に撮影して、日曜日は広島市内に遊びに行ってきた。
完全に一日それに徹するつもりであったから、EOS−1Vは封印し、デジカメだけを持って出た。
まずは、オシャレなカフェがあるから行こうということだったので、そこで軽く腹ごしらえして、映画館に向かった。「映画版未来日記」を観ようと思ったら満席だったので、次の上映のチケットを買ったが、2時間ぽっかりと時間が宙に浮いてしまった。しかし、女の子であるから買い物しだすと、2時間なんてあっという間である。
そこで、出かけに「赤い石のピアスが欲しいんだよねー」って言いながら小さなダイヤのピアスをつけていたのを思い出した。このピアスは前回の20弾ではつけていたのでお分かりだと思う。
選び出したら女の子の時間は止まる・・・しかしそんな姿を見ているのは飽きないものだ。
二人でいろいろ悩んだ結果、ルビーのピアスを選んだ。後で分かったが、ルビーはちょうどまなちゃんの誕生石にあたるようなので、丁度良かった。
その後、再びオープンカフェでお茶したが、なかなか快適なソファーがあってまなちゃんのお気に入りカフェにひとつまた追加である。
さて、肝心の「映画版未来日記」は、内容は私が語っても仕方がないが二人の共通した感想は、後味が悪い・・・そして可哀想・・・である。その映画の舞台である隠岐島でロケをしたいと思っていたので、ロケーションも参考にしたいと思ったのだが、あの映画の趣旨から考えてそれほど多くの撮影地候補が見つかったわけではないが、いいロケーションになるとそこに隣で涙ぐんでいるまなちゃんを当てはめれば、どう演じてくれるかなんて思ったりもした。
その後のディナーの時間、今までに無くいろいろと撮影に事について話したが、『素顔のままで』の第1弾で、私がそれほどシャッターを切らなかったので、気に入ってもらえていないのかと、不安になったりしていたようである。消費したフィルムの量がそのバロメーターだとそれまで思っていたらしい。今となっては笑い話だが、そういう話をするのも時にはいいものだ。