『素顔のままで』回想録−3


第5弾 1998.11.3 岡山県 犬島

第4弾の撮影後に、友達とヨーロッパに遊びに行ったまなちゃんであるが、帰って来てすぐの第5弾であった。そのヨーロッパ旅行のスナップもここで紹介している。
初めて遠くにロケに行くこともあって、道中ではパリで土産話を聞きながら岡山まで行ったのだが、時差ぼけが抜けきれない状態で早起きしてくれて、寝てもいいと言うのに助手席で起きていてくれたのは嬉しかった。
郵便船に乗って着いた犬島は、古い銅の精錬工場跡があり、それは要塞のように入り組んでいて、なんとも雰囲気のある場所である。崩れかけたレンガ造りの建物やそびえ立つ煙突、そして洞窟のような穴倉・・・。

この日は、ダークグレーのパンツスーツとマーメイドラインの黒いドレスであったが、まなちゃんの姿勢の良さを改めて感じた撮影でもある。
今でも申し訳ないと思っているのが、ロケハンもせずに行った犬島であるが、あれほど足場が悪いとは思ってなくて、まなちゃんのおろしたてのスエードの靴がパーになってしまったのだ。
それでも、まなちゃんは元気にあちこちを歩き回る。そしていい場所があったと、どんどん進んで行ったら、スズメ蜂に追いかけられて「フギャーァ!」と叫んでいるが、足場が悪くて逃げられない。せっかくのベストポイントであったが、刺されでもしたら大変なので諦めることになった。

11月ともなれば、あっという間に太陽も斜めになってくるが、辺りがオレンジ色に染まると、まなちゃんの表情も変わってくる。その時に、なんていいモデルなんだろうって思ったものだ。
そして、まなちゃんが何カットかシャッターを切った後に、一瞬柔らかいいい表情をすることに気がつき、きっといつかこれを捕まえてやろうと思ったもので、今となってはいい思い出でもあり、こんなまなちゃんと一緒にやって行けることに感謝したのである。


第6弾 1998.12.5 播磨中央公園

この撮影の前に、年賀状を作ってあげると言う話になっていて、その為に少し明るめの写真を撮りたいねってことで、服もそれまでまなちゃんがあまり着たことがなかった、派手目のものを友達から借りてもらうことになった。最近は、かなり原色系も好んで着ているまなちゃんであるが、この頃はちょっと背伸びをしていたのかシックな服装が多かったのである。

とは言うものの朝から雨に降られ、まなちゃんを迎えに行った時はかなりの土砂降り状態であったが、天気予報を信じて播磨中央公園を目指した。延期してもよかったのだが、年賀状に使うとなれば、これ以上遅らせることは出来なかったのである。まなちゃんも年明け早々の看護学校の入試を控えて、受験勉強の真っ最中であり、余裕を持って年賀状が書けるようにしてあげたかった。
しかし、向かう途中で雨も上がり強行して正解であった。

また、この日は新しく加わったTS−E45mmのシェイクダウンも兼ねておたが、結果は上々でお気に入りレンズとなったのである。まだ使い慣れていなかったこともあり、今のようにまなちゃんにアオリ撮影を意識させない撮影とは程遠く、かなりモタモタしていた記憶がある。

この播磨中央公園はとにかく人が少なく、まるで貸切のような感じであった。撮影も終盤になると晴れてきて、いい夕陽での撮影も出来たが、久々にカジュアルな服装であったが、それにしっかり、同調してくれるまなちゃんであった。 
それまで、赤は苦手で口紅も赤いのを付けると落ち着かなくて、早く家に帰りたくなると言っていたまなちゃんであるが、赤いマフラーもしっかり似合っているではないか。

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