『素顔のままで』回想録−8


第14弾 1999.09.11 島根県 石見海浜公園  09.23畳ケ浦

この撮影ほど天気に恵まれてると思った撮影もない。天気予報も芳しくなく、広島に向かう道中も雨に降られてしまい、雨の場合の撮影プランを練りながらのドライブとなった。
そして、予備日として23日も撮影をOKしてもらったほどである。
ところが、夜が明けると外が明るいではないか! そしてやがて快晴になってしまったのである。

それまでも海での撮影はやってきたが、水着での撮影は初めてということで、向かったのは島根県の石見海浜公園であるが、道案内はまなちゃんである。
雨よけとして考えていたビーチパラソルを抱えて、広い砂浜に着いた時には汗びっしょりとなっていたが、こんな汗なら大歓迎である。

まずは濃紺のビキニで撮影スタート。パラソルの下から撮り始めたが、せっかく海に来たんだからパラソルから出て撮りだしたのであるが、暑くてまなちゃんも鼻の頭に汗をかいているし、海に入ることにした。そして水着もチョコレート色のビキニにチェンジである。
波打ち際を駈けるまなちゃんを見て、やけにスタイルがよくなっているのに改めて気がついたのだが、撮影までちゃんと黙って努力していたのか・・・と嬉しくもあり、いじらしくも感じた。
黙ってられなくて誉めたら「そうでしょー! 初水着がデブじゃねぇ」って具合で、ますますゴキゲンで海に向かって走り出した。

まなちゃんがノッてきたところで、白いワンピースに2度目のチェンジだ。イルカの柄の入った真っ白なワンピースが似合っていたが、いい表情もバンバン出てきて、思わず私も「今日は調子いいなぁ」って言ったほどである。
そして、まなちゃんが余りに良かったので、雨の場合に予備日として考えていた23日も撮影しようよってことになった。


という事で23日であるが、台風の接近で朝からどんよりした天気であったが、少しも慌てることはなかった。前回が快晴の空の下で元気に走り回ってもらったので、その逆のパターンで行くつもりであり、ロケーションとの相性的にもそれほど悪くはないと思っていた。
ただ・・・9月も下旬となり日本海の水がかなり冷たくなっていることが予想されたし、朝からまなちゃんは鼻炎がひどくて、ティッシュが手放せない。

前編の撮影の日にロケハンをしていた畳ケ浦が後編の舞台である。
到着すると程なくして雨が降り出したが、今度はビーチパラソルが雨よけになり、しばらく肩をを寄せ合っての雨宿りである。しかし、こんな距離感は晴れてたらなかなか得られるもんじゃない?ってことで、50mm付近のレンズで撮りだしたのである。

そうこうしてる内に雨も上がったので、水着の上にシワ加工されたシースルーのワンピースを着ての撮影である。広い畳ケ裏を貸しきり状態となったが、前編の元気いっぱいのまなちゃんとは打って変わって、しっとりとしたパターンである。

そして、冷たい水に私もまなちゃんも胸まで浸かっての撮影を開始したが、まなちゃんは文句ひとつ言わない。レフを固定したGITZOの三脚も一緒に沈めたが、すっかりパイプの中に浸水していたし、私の着ていたシャツの胸ポケットに入っていたZippoも海水にやられてしまって、今もこの原稿を書いているPCの傍らに錆びた状態で転がっている。

3時を過ぎると、いつの間にか西の空から陽が射してきたのである。どこまで私たちはラッキーなのであろうか、トップライトになると困る時間帯は雲っていて、オイシイ光の角度になると晴れてくるなんて。
西日を浴びて横たわるまなちゃんの身体の輝きを最後に残せた、水着撮影であった。

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