『素顔のままで』回想録−9
第15弾 1999.10.31
島根県 高野町
10/30が看護学校の学園祭であり、そこにちょっと顔を出してまんちゃんが作ったじゃがバターを食べ、教室で友達と一緒に写真を撮ったりした。その後、近くにコスモスが咲き乱れるところがあったので、行ったみたり陸上競技場に行って少し撮影をした。
翌日は、まなちゃんの実家がある高野町って所まで行ったが、まなちゃんが中学生の頃、時々学校をさぼってぼんやりと過ごした雄滝へ向かうことにした。
そこへ行くにはキャンプ場を抜けて山道を進むのだが、紅葉しかけた木々に囲まれたその細い道がなんともいい感じである。また、この道を子供の頃のまなちゃんが歩いたのか・・・なんて思いながらゆっくりと進んだ。
そこは、まなちゃんの自分だけの落ち着ける場所だったと聞かされていたし、朝日を浴びて気持ちいい季節でもあり、自然に撮影のテンポはスローになっていた。
まなちゃんも、いつもより穏やかな表情をしているように私には感じられたのである。
その後、まなちゃんの実家にお邪魔させてもらったが、ご両親に認めてもらえるのは私としても、非常にありがたいことであった。その後、近くの木造の学校での撮影となったが、そこの鍵まで借りてくれて校舎の中で自由に撮ることができた。
こんな建物は都会ではなかなか無いものである。
そして、最後は高野町の名産でもあるリンゴ園に入らせてもらっての撮影だ。しかし、思った以上に難しいのがこの手の撮影であり。どうしても農協のポスターのようになってしまうのである。
今思えば、超広角でレンズで寄って撮っても良かったかな?って思うのである。
そして、遠くの山奥からはハンターたちの銃声が鳴り響いていたが、それを聞きながら、またこの高野町にに来てみたいと思っていた。
第16弾 1999.12.11
島根県 高野町 七塚原高原牧場
この年最後の撮影となったが、広島に向かう中国自動車道は冬支度を整えつつあり「積雪注意」とか「凍結注意」の看板を随所で見ることとなった。
撮影当日は、5時過ぎに起きて三次で有名な霧の海を見に行くことにしたが、ベストコンディションとはいえないものの、その素晴らしさは充分に感じることが出来た。また、こんなに早起きしてくれたまなちゃんの気持ちが嬉しかったのである。
その後、前回気に入ってしまった高野町に向かったが、北上するにつれて積雪が目立ちはじめたが、小雨も降りだして、寒々とした雰囲気になってきた。隣で気持ちよさそうに寝ているまなちゃんを
起こした時には、先日の菴滝に向かうキャンプ場の手前に着いていた。
そして、私の目を引いたのは、うっそうと木が生い茂る長く細い参道であった。前回来た時は快晴だったこともあり、何も感じることなく見過ごしていた場所である。
まだボンヤリしているまなちゃんであったが、低血圧とは思えないほどいつも目覚めがいいので、私はとても助かるのである。
そこでは、まなちゃんに前を歩いてもらい、私がそれを追いかけるという感じであるが、私にはその森の道を見つけた瞬間にこんなイメージが出来上がっていた。「迷い込んだ、森の小道で一人の女性に出会った・・・ そして誘われるままに、フラフラと・・・ いつの間にか、森の奥深くへ来てしまった・・・」で、まなちゃんには、前に進んでくれるようにだけ指示しただけだが、そのロケーションと私の追い方で、すぐにピンと来たようで、私のイメージ通りに演じてくれた。
そして、フィルムは癖のあるプロビアの400を使ってみたが、なかなかいい効果を出てくれている。
その後、寒いので南に向かってクルマを走らせ、7月に来た牧場で撮影することにしたが、いつの間にかいい天気になっている。
牛と遊ぶ姿を見ていると、まだまだ幼さが残るまなちゃんである。また、ここでは私のコートを着てもらったが、大き目のラフなコートもなかなか似合っていた。