『素顔のままで』回想録−11
第18弾 2000.04.01
広島県帝釈峡 Part1 04.02
平和記念公園 Part2
4月の声を聞き、かなり暖かくなってきて気持ちのいい季節である。そうなると気分はハイキングだ。中国道を三次から30分をほど東に走ると帝釈峡に着く。
その前夜、二人で広島の観光ガイドブックを見ながら撮影地を考えていたのだが、そのガイドブックで目を引いたのが、帝釈峡の雄橋でる。渓水侵食によって出来た洞窟が、永い年月で大きな橋のようになったらしいが、なんともいい雰囲気なのである。
帝釈峡に着いたものの、余りにも広大でどこに何があるのか分からない。シーズンオフってこともあり、辺りには私たち二人だけって感じであるが、ナビを見ながらなんとかたどり着いた川の横の遊歩道は実に気持ちのいいところであった。
私は、このロケの一週間前に左のふくらはぎに肉離れを起こしていたが、得意のスパイラルテープ療法でほとんど歩くのに支障がないまでに回復していたので、重い機材を担いでいても楽しいハイキングとなった。GW以降の新緑と秋の紅葉の時期には、かなりの行楽客が集まるらしいが、この季節には渓流釣りを何人かがしているだけであった。
この日のまなちゃんは、ジーンズに白いシャツと言う、いたってシンプルなのであるが、それがまたこの帝釈峡の自然に満ち溢れた場所にマッチしている。そしてまなちゃん自身もナチュラルで居てくれた。そして私もそれを素直に撮ったつもりである。
翌日は、広島市内までまなちゃんサービスである。看護学校の春休みも残り少ないし、ミス三次としての仕事も控えているのだから。そして、夕方に平和記念公園で一時間ほどの撮影したが、標準レンズを基本とした撮影に終始した。
第19弾 2000.05.20
広島県三次市 三江線
待ちに待った無人駅シリーズの撮影が出来た。これについては初めて私が三次の地に訪れた時にロケハンを済ましていたのである。
また、この撮影に関してはちょっと凝ったメイクを施しているが、まつげで語れるモデルのまなちゃんであるから、赤いアイシャドウと植え込みまつげが実に似合っていた。つい、銀河鉄道999のメーテルを思出だしてしまった。
ロケハンした時にクルマのナビにマーキングしていたので、迷うことなく撮影ポイントに到着。まなちゃんは良く覚えてるねーって言っていたが、実はそういう訳だったんだよん。
まず最初は、道路からかなり高い場所にあるトンネルに続く線路であるが、まなちゃんは足場の悪い中を軽々と登っていく。線路の上に立っているまなちゃんを道路を走るクルマの運転手が不思議そうに見ている。
今回の撮影ではある決まったパターンの構図で撮っているのだ。それは奥行きを感じる構図である。線路やトンネルというそれにもってこいのロケーションであるから、やり易かったが、観光写真にはしたくなかったので、非現実的とも言えるメイクも効果的であったと思うし、髪をストレートにして少し和風のオカッパに近いカットも神秘的なイメージを後押ししている。
昼過ぎまでは天気も安定していたのであるが、しばらくすると急に真っ暗になって雷が鳴り出し、風が吹き荒れてきたのである。しかし、こんな天気もラストシーンとしては最高の演出であると感じられた。そしてラスカットを撮り終えて、クルマに戻ると大粒の雨が容赦なく降りだしたのである。