『素顔のままで』第24弾!


行って参りました、尾道ロケ。前回の10月下旬は、雨だったので予定していた尾道を延期してなかなかいい撮影が出来たわけだが、その判断は大正解であったようだ。
金曜日の夜の段階では、雨がぱらつく中で中国道を突っ走ったが、天気予報は夜から晴れることになっていたので、何も心配することなく走ったが、その夜はしし座流星群≠フ接近する日であったので、それの方が気になっていた。
三次に近づくと雨も上がっていたが、快晴とは言いがたく雲が残っていたので、流れ星見物はパスとなった。

予想通り翌日は朝からいい天気になり、本来なら霧に包まれた朝を迎える三次であるが、青空が見えていたのである。意気揚揚といつものようにセブンイレブンに寄って朝食を買い込んで、尾道までの70kmのドライブである。まなちゃんは前日徹夜で実習のレポートを書いていたので、隣でうつらうつらとしている。聞いても「大丈夫眠くないよ」って言うが、眠かったら寝ていいって私が言うと、気持ちよさそうに寝息をたてだした。

一時間ちょっとで尾道に到着。まず最初にどこにクルマを置くかが問題である。とにかく駐車場が少ないと聞いていたし、土地カンが無いのでどこから撮影をスタートさせるかは、効率よく尾道の町を歩くのに大きく影響するのである。
それで、尾道の全景を見渡せる千光寺公園の駐車場に停めることにした。
せっかく来たのだから、正岡子規や松雄芭蕉の句などが刻み込まれた石碑が並ぶ文学のこみちを下り千光寺へ、そしてロープウェイで一気に下った。

その下ったロープウェイの駅のそばに、映画でも使われた有名な「こもん」と言うワッフル屋さんがあり、ちょうどお昼時でお腹も空いたのでランチにすることにした。
観光シーズンは行列もできるほどだと聞いていたので、混んでいないか中の様子を覗いたまなちゃんが「監督がいる!」って言うのだ。そんな冗談を言うとは、まなちゃんにしては珍しいと思いながら窓越しに覗くと、中央の奥の席に確かにあの大林宣彦監督が座っていたのである。
この尾道であの大林監督に会えるとは、なんてラッキーなんだってことで、中へ・・・
奥のボックス席でスタッフらしき人たちと和やかに話されていたが、派手なピンクの服を着たまなちゃんと、大きなカメラバックを担いだ大男が入って来たので、こちらを見ていた大林監督の席の横を横切った時に、思わず会釈してしまった。

ちょうど、「転校生」や「時をかける少女」のロケ地に行ってみようと思っていた矢先だっただけに、幸先のいい出会いであった。
転校生で有名なシーンに神社の石段を転げ落ちるのがあるが、そこにも行ったし、ポイントとなるシーンで使われた踏切にも行った。
時をかける少女で原田知世が歩いたタイル小路や路地にも行ってみたが、この場所から大林監督は何を感じて、撮影に使ったのかを連想するのも面白いものであった。

もちろん、歩きながらいい感じだと思った場所では撮影したが、5時間ほどなので尾道の半分も回れていない。しかし、まなちゃんは尾道の町はけっこう好きかも・・・って言っていた。
3時になり、陽もかなり傾いてきたので、ロープウェイに乗って再び千光寺公園に戻り、クルマで海岸沿いまで下ることにした。
ちょうど海岸線上に沈む夕陽が美しく、その頃には天気も安定してきたのか冷たい風も止んで気持ちのいい日暮れ時となっていた。

こんな尾道ロケであったが、あえて観光ルートに乗っかってみたわけで、大林映画の片鱗に触れて、その場所で撮影した結果、観光写真になってしまったかもしれない。
しかし、尾道であることを感じさせながら、私なりに切り取ったまなちゃんの姿であり、その場で感じたままのまなちゃんだったと思っている。

そんな尾道の地であるが、もう10年以上前に行ってみたいと感じたことがあった。当時はまだ風景を撮っていた時期であるが、結局行くことも無く年月が経ち、いつの間にかポートレートを撮るようになって、そして気がつくと私の傍らには、広島に住む最高のパートナーがいたのである。

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