空気感は作るもの?


ここで私は再三「空気感」を伝えたいと書いてきた。しかし、この空気感とやら、言葉で表現しようとも、なかなか出来るもんじゃない。元々ボキャブラリーに乏しい私としては、いつもじれったく感じているのである。
ただ、公式があったり答えが一つの数学ではないので、その時々で見つかるものも違えば、空気の色も濃さも違うのだ。

あれは神戸の震災のずっと前のことだから、もう10年近く過去のことになるが、初めて“これだっ!”って感じた撮影があり、それ以降この感覚を追い求めて来た。そのモデルとは撮影会で出会い、何度か撮るうちに感じた瞬間であった。
これは、私だけなのかもしれないが、撮影会でたった一度っきり撮っても、これはなかなか得られるものではないと思うのである。
やはり、何度か顔を合わせ、お互いの息が合いだしてからだと今までの経験で何となく感じている。

それは、撮影に限ったことではなくて、何だっていいのだ。それどころか、撮影以外での時間が持てる方がずっとイイ。
私が思うに、忙しいタレントが写真集を撮るためによく海外に行くが、それは良いロケーションを求めてのことだけではないと思うのである。モデルとカメラマン、そしてスタッフが日本を離れてしばらくの間、寝食を共にすることで何かが生まれるのではないか・・・。日本であれば、ヤレ仕事が入ったとかなんとか理由をつけて、それぞれが物理的にも気持ち的にも離ればなれになってしまうのではないかと・・・。もし、現実はそんなことではなくても、私はこの考えで今までもこれからもやって行くつもりである。

だからって、どうすればいいなんて答えが出ているわけでも何でもないが、自然にまかせるしか術ははいわけで、これから一緒にやって行きたいと思ったモデルは何人かいたが、無理は禁物である。私が無理に手を引っ張って行く事も可能かもしれない。しかし、それでは意味が無いって思うのである。例えば私が声を掛けて、それに表面的に良い返事がもらえても、それがどこまで本意なのかが、見えて来ないような相手であり、そんな関係ではまだまだ機は熟していないのである。
そんなもの、撮りだしてから判断すればいいのかも知れないが、そんな部分に拘るのが私である。また、ここに拘ってこそだと思うのだが・・・。

私は、このWEB上でモデルの募集を一切行っていないが、それも、この拘りに深く関係していて、モデルなんぞ募集しなくても撮りたいモデルは自分で見つけるし、仕事ではない部分での撮影をこのWEBでやっている以上、モデルなんて募集する方が可笑しなハナシである。
誰でもいいから、モデルを募集して撮るなんて私にはよーわからんハナシで、仮にせっかく名乗り出てくれた女の子が気に入らなくても、断るなんてことはするべきではない。それこそセクハラの極地だ。もし、WEBでモデルを募集して、断ったことのあるカメラマンは懺悔すべきである。
モデルぐらい自分で探せってのが私の持論だが、いい写真を撮ってさえいれば、ネット上で募集なんて無責任で楽な方法を採らなくてもいいはずである。
その無責任さが、結局は私の撮影スタイルと相反する部分である。

撮りたいと思った女の子がいたら、ガツガツせずにまずは仲良くなることではないだろうか。そしてモデルとカメラマンとしてだけでない繋がりが持てれば、おのずとイイ空気感なんて勝手に出来上がってしまうのである。空気感を演出しようとしたり、カメラを構えて作ろうと頑張ってみたところで、結果は惨めなものじゃないか。実際に撮影しなければ、結果は残せないが、もっと意味のある時間の過ごし方を考えてみるのも悪くはないぞ。

今日のオマケ画像は、画像メモと割り切って持ち歩いている OLYMPUS C-2020ZOOMで撮った、ジュンと遊ぶまいちゃんであが、なぜかまいちゃんはジュンのことをひと目見た瞬間から、ハナと名付けてしまったのである。


<−戻る