第二印象が決め手


個人撮影をするモデルがいる人いない人・・・。これからって人もここを読んでいる人たちには多いことだろう。そして、『素顔のままで』を少しでも気に入ってくれた方たちは同じモデルとの長期的な撮影を望んでいたりすることだろう。
それより、多くのモデルを日替わりメニューで撮る方が楽しいと思っている人も多いだろう。って言うか、私から見ればまだその域にしか達していないと感じてしまうのだが・・・気を悪くした人、反論のある人も多かろうが、まっ、聞いて欲しいってところだ。

第一印象より、第二印象がすてきな人がいい】私は、こんなことをここ数年感じる事が多いのだ。「一目惚れ」的な部分の凄さは認めているし、本能的な所を突かれたら、これに勝るモノは無いと言うのも私の持論であるが、それも踏まえた上でつくずく感じるのである。
最近はビジネスだから割り切ってやんなきゃ・・・なんて思っていたが、結果はやっぱりロクなものではなかった。「私はタカピーなんかじゃないですよ・・・」なーんて自分で言う女性ほど厄介なものはないな。確かに容姿端麗、頭脳明晰なのかもしれないが、もうまっぴら御免、勘弁願いたい。

この撮影雑記の2話で最初に画像として紹介しているMiwaは、私のマンツーマン撮影の実験台になってくれた10年以上の友達であるが、イワユル“お嬢様”であり、「私みたいに偉そうな女に・・・」なんてよく言うが、あんな真っ直ぐで可愛いヤツもなかなかいない。

さて、【第二印象】についてだが、これが個人撮影が成功するかどうかの決め手になるのだ。断っておくが、それはモデル側から見たカメラマンに対する感覚にも共通して言えることだってことを、よーく解っておいてもらいたい。
「撮ってやるのだから、自分の事なんかとやかく言われる筋合いは無い」なんて考えを持っているとすれば、お話にならない。また、その逆もしかりってやつだ。

私の場合は、ファーストコンタクトからいきなり本格的な撮影を切り出したりはしない。それどころかカメラさえ持たずに、初めてのモデルとの対面をすることも多いのだ。そんな時間が取れない場合は、電話で話をすることもある。最初は撮影のことを話したりするが、世間話の中から色んなことがお互いに見えてくるものである。なんだかんだと色々と質問攻めにするのは決していいことではない。
私はまずは自分の事をいっぱい話す。相手は私の事を全面的に信頼している訳ではないし、ヌード撮影なんかになればなおさらのこと。そのうち、自然に女性の方がたくさん話してくれる逆転現象が起きていることが多い。

前回の小説の話題の続きになるが、こんなのもあった。
男女の関係が崩れるのは、外側からではなく、内側に原因があるからだろう。ライバルがいたり邪魔が入ったりするからではなく、二人のあいだに満たされないものがあるからだ。現象的には、外に親しい異性がいて、そのために二人の仲が破れたように見えるケースもたくさんあるが、本当は先に二人のあいだに見えない破綻ができていて、その不満が外に向かって裂け目を大きくしていくだけなのだ。
これは、男女の恋愛についての一節であるが、モデルとカメラマンの間にも同じことが言えるだろうし、第一印象だけではどう頑張っても避けて通れないものではないだろうか。

『素顔のままで』のまなちゃんの場合、個人撮影として撮影がはじまったのではなく、当時私が所属していたグループでの撮影会で会ったのが最初である。
その時は、モデルとして他に見たことの無いようなセンスの良さだけが第一印象として残っている。
 ―― なんなんだ、この子は・・・少しもじっとしてやしない。どうやって切り込もうか ――
それ以外と言えば、口数が少なく、媚びを売らないどこかクールな印象。だが撮影が始まればそれは一転し、饒舌な目となる。
 ―― なんだか、今日はいつに無く撮らされたって感じだな ――
その反面、甘いものが好きなんだなってことぐらいか。それと、また撮ってみたいと思ったことは確かである。

その後、色々な出来事があって二人で会う事が多くなり、撮影抜きで話す機会が増えて、【第二印象】と言うものが自然に芽生えていったわけだ。それ如何ではその後の『素顔のままで』は存在していなかったかも知れない。いや、今の私の撮影スタイルさえもどうなっていたか、はなはだ疑問である。
ホント、いい子に出会えたものだ。
しばらく、まなちゃんの顔を見てないが、そろそろまた一緒に鍋でもやりたいと思う今日この頃である。


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