トキメキと倦怠


モデルの募集にメールをくれる女性がいるのは有り難いが、簡単に詳細を教えてくれと言っただけものも多く、それだけでほとんど自分の事や想いを書かれていない場合が多い。私は別にモデルに餓えているわけではないから、誰とでも撮影することはない。こんな事を書くと非常に傲慢な印象を受けるかもしれないが、せめて写真ぐらいは事前に見たいし、私に撮影を依頼した動機ぐらいは聞かせてもらいたいと思うだけなのだ。

だから、私は必ず返事はするが、その二つを聞いた段階で音沙汰が無くなるケースが非常に多い。写真を見せられないほど自分の容姿が恥ずかしければ、撮影を依頼するのも可笑しな話だし、自信が無くても撮影するとなれば覆面を被るわけにもいかないのだから、こっちとしては非常に不可解なわけだ。もし、メールに添付するデジタル画像を持ってなくてもプリントした写真を送るとか何らかの返事が返ってきてしかるべきであるから、そういう相手に対しては、私も催促のメールなどしない。それどころか、時間の無駄なのだ。
また、私との撮影の動機も、手当たり次第に検索サイトでモデル募集を探してメールしているような場合は答えられるわけもなく、私としてもそんな相手と撮影する意味が無いし、撮影プランを一緒に考えるような撮影をする気はさらさら起こらない。
私の撮影を少しでも理解してくれていれば、見ず知らずの相手に対して、いきなり撮影の詳細など答えられないことぐらい解るはずなのだ。

さて、貴方は自分の彼女とデートする時に、ミニスカートなど肌の露出の多い服装をすることをどう思うタイプでしょうか?特にこれからの季節はネ。
カフェでミニスカートで脚を組み替えている彼女に他の男の視線が集中した時に不機嫌になる男どもが多いと聞く。何故だろう?私はその逆でどんどん魅せてやればいいと思うのだ。
安心感もトキメキも両方欲しいといういうのは欲張りな考えかも知れないが、アメリカの夫婦を考えてみるとどうだろう。彼らは常に愛の言葉を囁きあい、外出ももちろん夫婦同伴である。日本の奥様連中から見れば、実に羨ましい関係と映るかもしれない。しかし、その裏にはいったん愛が冷めれば早々とためらいなく別れるといった現実も潜んでいる。
そして、ここが肝心なのだが、パーティーなどに行っても、未婚既婚に関係なく、男は女を、女は男を見ていて、夫が他の女性から口説かれる事もあり、妻も他の男性からダンスに誘われたり口説かれたりする。そういう緊張感があるからこそトキメキもあるのだが、それは愛が冷めたら即XXという危険との表裏一体なのである。

ということで、大事なパートナーを箱入りにしてしまうのは安心感は得られるかも知れないが、ここに倦怠という落とし穴が待ち受けているのではないだろうか。安らぎとか安心感といった心地よさを手に入れるためには、その代償としてトキメキを手放し、倦怠を受け入れざるをえないと言えるかも知れない。

それでよしとする風潮の日本ではあるが、私はそんなことには魅力を感じない。男というもの、その安らぎをキープしつつ、ミツバチよろしくあちこち飛び回るものかもしれない。まぁ、それが世間では浮気といわれ、一夫一婦制の世の中では罪悪とされている。
しかし、私は安定を確保したと安心するつもりも無ければ、浮気をする感覚でもない。
動物界に目をやると、オスはメスを求め次々と目を向ける。しかしメスだって黙っているわけではなく、常に強いオスを求めているわけだから、オスも他のオスと戦い強さを見せつけようとするのである。

モデルとの関係だって同じことで、自分だけのものとして大事に仕舞い込むのではなく、外に広める事でお互いが高め合えるんじゃないだろうか。


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