梅雨時の撮影


梅雨真っ只中の日曜日にポートレートを少し撮ってきた。ニコンSCで調整を受けたボディと、レンズ毎に微調整をかけたレンズの組み合わせでの最終テストも兼ねての撮影である。AFチェックをしたかったので、すべてレンズの開放で撮ったわけだ。天気が悪かったこともあったので、開放で撮るいい機会となった。
その日は、朝から雨で私が撮影する30分前に雨が上がり、撮影後しばらくしてまた雨となったが、このように天気に恵まれることは慣れているので驚きもしない。
まなちゃんとの撮影を頻繁に行なっていた時も、神がかり的な晴れ男と言われていた私なのである。

撮影した場所であるが、そこはGWに私がロケハンを兼ねて見に行っていた場所である。私の好きなトンネル的な場所もあるので、雨の日の撮影用にチェックしていた所である。
そのトンネル的な場所というのは、高速道路のように高架になっているR175の下をくぐって、農家の人たちが野良仕事に行くためだけぐらいにしか使われていない道で、大きなトンネル状をしている。けっこう間口が広いので、自然光もかなり差し込み、レフも使えるのである。

そして、そのトンネルを抜けると竹林があり、その横の農道を進むと池があって、雰囲気のある木が1本立っている小さな盆地のような場所に出るのである。そこは、私が以前R175を走っていて気になっていた場所で、どうすればあそこに行けるのだろう?と思っていたのである。それを思い出してGWにそこにたどり着く道を探していたわけだ。
急にモデルを連れた状態で探すわけにはいかないので、このようにロケハンをしておくことは非常に大事になる。
しかし、ロケハンの日は快晴であったから、まさか梅雨のこんな日に来ることになるとは思ってもいなかった。

だいたい、梅雨のどんよりとした天気の日は風がないことが多い。それもトンネルであったり、盆地であったりで、かなり蒸し暑い場所であったが、気温が低かったこともあり、私だけが汗をかいての撮影となった。モデルに汗をかかせてしまうようだと、どんなにいい場所でも撮影すべきではない。

トンネルでの撮影を終えて、池のほとりの一本の木の近くで撮影をしていた時である。ふと見上げると100mほど先のR175の路側帯にクルマが一台停まっており、そのドライバーはクルマから降りてガードレール越しに、こちらを観察しているようであった。大きなレフが目立ったのかもしれないが、なかなかいい場所で撮影しているなって感じだろうか。また、あそこにはどうやって行くんだろう?なんて思っていたのかもしれない。
写真ブームともいえるほどデジタル一眼が普及しており、ポートレートを撮りたいと思っている人も当然増えていることであろう。
何の工夫もせず、ただ公園にでも行って撮るのではなく、少しでも工夫をすればそれに応じて結果もついてくるのだから、その一人のギャラリーさんにも何か伝えることができたかもしれない。しかし、そのドライバーがクルマを停めた丁度その真下のトンネルで、10分前まで撮っていたことは知らないだろう。
いや、かなりの田舎であったので、ただ珍しくて見ていただけかもしれないが、それでも、ちゃんとした撮影シーンに興味を持ってくれたことは嬉しいじゃないか。
アキバで、群れてコスプレ撮影をしているオタクたちの映像を報道番組で観て、ぞっとした後だっただけに、そんな風に思ったわけである。

で、AFチェックの結果であるが、概ね良好ということにしておこう。ただし、SCから戻ってきたボディでレンズ単体での微調整が不要だったのは1本だけで、他はかなり苦労して探り当てた微調整値をONにしての結果である。特にタムロンのSP AF90mm F/2.8 Di MACROなんかは、+18設定なのであるからかなりのズレがボディの調整後出たということだ。D300のようにレンズ毎の微調整機能が無ければAFは使い物にならないことになる。花や昆虫などのマクロ撮影はMFでピント合わせを行なっているのだが、このレンズはポートレート撮影でも使うことを念頭に購入しただけに、SCから戻ってきたD300で試し撮りをした時は、目がテンになってしまった。そして、半ば意地になって追い込んだ結果、手持ちのレンズでは現在最高のポートレートレンズとなっているのである。
まぁ、まだニコンマウントではたいしたレンズは所有していないが、今後レンズを買い足して行くことに対しての不安感がかなり残る状態である。


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