撮り方が変りそう


D300を使い出してから、いいレンズを奮発しようとずっと考えていた。色々と候補は上がっていたのだが、なかなか決められないまま半年が過ぎてしまった。
Ai AF Nikkor 85mm F1.4Dも当然ながら検討したが、リニューアルしそうなので今回は見送った。同じ理由でAF-S VR Zoom Nikkor ED 70-200mm F2.8Gも待ってみることにする。この2本の新型を私が欲しいと思うかは出るまで分からないが、気に入らなくても現行の2本が一気に中古市場に出てきそうなので、それもいいかなと思っている。
70−200はポートレートではほとんど出番が無いと思われるが、このズームはEFでもそうだが、持っていると何故か安心するのである。ポートレートだけ撮ってるわけでもないしね。
残るはシフトレンズのPC-E Micro NIKKOR 45mm F2.8D EDと、標準ズームのAF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G EDになる。AF-S DX Zoom Nikkor ED 17-55mm F2.8GはDX専用レンズであるから、将来性のことやナノクリがない事などで落選している。最近の動向を見ていると、DX専用レンズに15万も払う気にはなれないかな。
シフトレンズの方はまだまだ、使用頻度と値段のバランスが整っていないと判断して、消去法で残ったのが24−70のナノクリ大口径標準ズームとなった。

決まってしまえば行動が早いのが私だから、歩いて行ける距離のカメラのキタムラですでに注文を済ませている。ネット通販での最安値と同等の提示額だったので即決したが、ボディーより高いレンズだから万全を期して近くの店を選んだわけだ。
在庫を持っている遠方の店の通販なら手に入るのは早いだろうが、このレンズがコケるとどうしようもないだけに、迷わず近所のキタムラを選んだ。少々の納期の差で焦ることはない。今後10年は現役で働いてもらわないといけないレンズなのだから。

このレンズを選んだ訳は、当然のことながら消去法の結果だけではない。私のこれまでの撮影スタイルを評判のいいこのレンズの出来次第では変えていこうと考えて、ポートレートへの投入となる。
デジタルになって、カメラの設定は複雑にはなったが、銀塩に比べて精神的にかなり楽が出来るのは確かである。なんせ、シャッターを切った直後に結果が見れるなんて、写真の概念を根底からひっくり返すほど、撮影スタイルを変化させた。これでいけると確認が取れれば、あとは被写体に集中できるわけだ。しかし、銀塩の方が被写体だけを見ていたのは確かである。デジタルになってから、モニターで確認する作業が増えるわけだが、確認さえ取れてしまえば、安心して突き進めるのは大きい。
その流れのまま、ポートレートの個人撮影ではほとんどの焦点距離をカバーしてくれる標準ズームの出番となるのである。これまで標準ズームを使うことがほとんど無かった私だが、このレンズは何故か使ってみたいと思ったのだ。

しかし、キヤノンからニコンにカメラが変る以上に、ズームで撮ることの違和感を感じるだろうと思われる。実際に自由にモデルとの距離感を変化させられる個人撮影の環境で、ズームを使う自分がイメージできない。おそらく、ズームリングをグリグリすることをほとんどせずに、足を使っての撮影になるだろうが、レンズ交換の回数がぐっと減るのは大歓迎だ。
だからと言って、単レンズを処分することは絶対に考えられない。せっかくの大口径が活きてくるシチュエーションは必ずあるし、そんな空気感がたまらなく好きな私である。
ひょっとしたら、まなちゃんとの撮影では、リズムが狂ってしまい、単レンズに付け替えているかもしれない。

大口径の単レンズをずっと推奨してきた私であるが、時代の流れはいつの間にかこんなズームを生み出してしまったようだ。そしてポートレートを撮っているプロたちも、どんどんズームを使い出している。それは歩留まりが高いことの証明でもあるし、古い固定概念は見直す時期にきているのだろう。どうせ、デジタルで大きく変った撮影スタイルだから、便利なズームを使ういいタイミングなのかもしれない。


<−戻る