最新ズームの性能やいかに


新しく購入したAF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G EDであるが、AFの調整をSCで行なったばかりのD300が悪いのか、このレンズが悪いのか定かじゃないが、かなりの前ピンであることが自宅に持ち帰った1時間後には発覚した。いつものようにレンズ毎の微調節にまずは取りかかったわけである。高いレンズだけにいきなりジャストになることをかすかに期待していたが、覚悟していた通りの前ピンである。そういえば、微調節しているレンズはすべて前ピンであったことから、やっぱりボディが治っていないのかもしれない。しかし、苦労してピントを追い込んだレンズたちのことを考えると、またSCでいじられたらたまったものではないので、どうしようか考えているところである。

悩み続けていても仕方がないので、さっそく実写テストに入ったが、写り事体はそれほど驚くほどのものではなかった。ヌケのよさもキヤノンの135F2.0Lを使った時のような感激もなく、感想とすれば正直どうってことないものであった。
一回目のAF微調節後の撮影は、いつもの公園で50カットほど撮り、まずまずの結果を得て、ポートレートでの実践撮影に持ち込んだ。結果としては、+の微調節を少しかけ過ぎた感じはあるが、概ね良好。出てくる絵はこれまで、単レンズでほとんどの撮影をしてきた私としては、ズームにしてはそこそこの写真が撮れるかなってところだ。ネット上とかでは絶賛の声をかなり目にしたが、普及版のズームをメインで使っている人たちがほとんどであったから、当たり前と言えば当たり前のことだ。

ポートレート撮影をした時間帯は、まだトップライトに近い状態の14時30分からの30分と、18時20分頃のこの時期だと日が落ちる直前で地平線に太陽が隠れ始めた19時までの2回行なった。レンズはあえてこのズーム1本で通し、私の撮影で主役として使えるかも同時に試してみたつもりだ。夕方の撮影では大口径の単レンズも使いたかったが、そこをぐっとこらえて強引に使い通してみた。
で、これだけ写ってくれればかなり便利であると結論を出せそうな感じである。その結果を見せたいのだが、ポートレートの場合は色々と事情があることを察していただきたい。

モデルと同じベンチに座って広角側で撮ろうとした時に、こんなアップで撮るの?と驚いていたが、どうも望遠レンズだと思っていたらしい。確かに巨大なフードを付けると望遠レンズに見えても不思議ではない。普段の単レンズに比べるとかなり大きく感じたのであろう。迂闊に夏休みの海水浴場などで使うと、盗撮と間違えられてしまうかもしれない。私はこの時期の須磨海岸などには行ったことがないが、怪しいヤツが出没しているらしい。だから、私のように9月に入ってから水着撮影するのがいいのである。個人の作品撮りであれば、秋口の水着写真であっても誰も文句は言わないのだから。
話が脱線してしまったので戻すとしよう。夕方の撮影では無人駅のホームやレールの上で撮影したが、逆光で黄金色に輝くレールをフレーミングする場合に、ズームは便利である。かなりの斜光線の中での撮影だったが、ナノクリの効果は確実に出ていたように感じる。

デジタルになってからどうしても気になってしまうのが、AFの精度である。等倍に拡大することで微妙なピントのズレが浮き上がってくるので、無視できなくなってしまう。ピントがしっかり来た時の写りが素晴らしいだけに、微妙なズレが許せなくなってしまうのだ。それが常に同じ比率で一定のズレを示してくれればいいのだが、ジャストで合っている時もあるから厄介なのだ。また、厳密に言えば望遠側と広角側で前ピンの度合いが違うようにも感じている。しかし、それはピンズレの目立つ望遠側を優先しようと思っている。

ポートレートの方はこれぐらいにして、風景でもしっかりチェックを行なってきた。ポートレートほどピントはシビアではないので十分使えるレベルである。AFをいじめる意味で望遠側の開放でマクロ的な撮影も行なってみた。被写体はセミの脱け殻である。本来ならこれだけ寄れば少し絞りたいところだが、あえて開放で撮ってみた。しっかり三脚で固定して撮った、ほぼ100点に近い精度で撮れていた。バックにハイライトを入れると、かなり大き目の丸ボケを作り出すことも可能で、F5.6以上に絞ってもキレイな丸ボケが得られたことも確認した。
このレンズのあとで、AF-S DX VR18-200G を使うとファインダーの暗さを感じるし、写りも確実に差があることだけは確かである。


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