夏に向けて


なんか、急に暑くなってきたじゃないか。最近、曇りの日がちょっと嬉しかったりする。クルマの方は水温や油温、そして吸気温が心配な季節の到来だ。去年の夏の終わりに納車されたVR−4だが、その頃とはエンジンのパワーがまったく違っているから、今年の夏は熱に関してかなり神経を遣わなければならないはずである。
その手始めとして、付いてるだけの極めていい加減なノーマルの水温計の前のスペースに高精度な水温計を付けたが、今のところ90℃をちょっと越えるレベルであるが、真夏はあと10℃は気温が上がるので要注意である。

まぁ、私も昔のように無茶な運転をする歳でもないから、パワーを上げただけ使い切る走りを常にすることもないわけだ。プラスアルファの余裕の走り程度で普段は抑えているので、それほど気にすることも無いかもしれない。
一般のドライバーはそんなこと気にしたことも無いだろう。標準で付いている水温計に注意しながら走っている人なんてごく僅かだし、それを気にしなければならないクルマは今の時代ほとんど無い。
しかし、燃料計と速度計、そして水温計がどんなクルマでも付いているのは、それなりの意味があってのことである。燃料が無くなっても、ガス欠で動かなくなるだけだが、水温が異常に上昇してエンストするのは正常とは言えない。
過去にボルボに乗っていた時は、渋滞にはまって水温が上昇し交差点で動かなくなった経験がある。その時は、日陰に押して行って、しばらく冷やした後、窓を全開にして真夏の炎天下にクーラーどころかヒーターをガンガン効かせて走ったものだ。何故にヒーター?って不思議かもしれないが、ヒーターは熱せられた冷却水の熱を使って温風を出しているので、ヒーターを効かすことで上昇し過ぎた冷却水の熱を奪ってくれるのである。

そして、撮影の方では、一番厄介な梅雨を迎えているわけだ。その梅雨が明けたら一気に暑くなるから、モデルはたまったものじゃない。私は冬でも汗かいてたねって先日の撮影でまなちゃんが言ってたように、カメラマンは汗をかこうが頭から湯気が出てようがどうだっていいのだ。しかし、モデルは顔に汗をかけないので、真夏日の撮影は可哀想なのだ。
特に、ギャラをもらってモデルする場合などは、見苦しい姿ではいれないので悲惨である。身体には汗をかいているのに、顔はなんともないモデルも多いが、訓練だけではどうしようも無い部分があり、私が頭から汗を滴らせるタイプなだけに、汗をかけない辛さを考えると逆に気を遣ってしまうのである。
その逆に、冬は寒さ対策であるが、撮影中に常にコートとマフラーってわけにはいかない。どうしても首元などは寒風にさらすことが多くなる。その時には鳥肌が立ってしまうケースもあるので、それも同じ自然現象として気をつけてあげなければならない。また、鼻の頭がピンクに染まることもあるので、注意とフォローが必要である。
と言うことで、個人撮影の場合は、その辺の気配りは絶対に必要だし、モデルが遠慮して我慢してしまうような雰囲気では話にならない。

次回のまなちゃんとの撮影は、都会的な雰囲気で撮ろうと話をしているが、先日は最高の気候の5月の撮影で、涼しい自然の中で撮ったが、夏の都心はかなり暑いのでポートアイランドをはじめとする海の近くを考えている。埋立地は風通しがいい場所ではかなり涼しい場合もあるが、時には風が強すぎてレフを支えている重いGITZOの三脚ごと吹っ飛んでしまうこともあるから、注意が必要だ。いきなり突風が吹いて、私は何度もレフを飛ばされている。神戸は海岸沿いが震災でかなり被害を受けたが、その影響で古い工場などが壊れ、その跡地に美術館などの施設が出来ていたりしている。
また、ポーアイはコンテナヤードが移転し、そこに大学の新校舎が立ち並んでいたりで、殺伐としていたエリアが見違えるようなロケーションに変貌を遂げている。
以前、大阪芸大の中でで撮影した時は、すんなり何の問題もなかったが、一般の大学では本格的な撮影は難しいので、せめて美しい校舎が見える場所での撮影でも出来たらと思っている。

あと、神戸と言えば異人館街や旧居留地が有名であるが、異人館街には駐車場が非常に少ないし、坂道が多くて夏場は辛い。それに観光地だけに人通りが多く、その切れ目を待つだけで大変なのである。ただ人通りが途絶えるのを待つといっても、撮影のリズムが狂うのが嫌なのだ。
人通りが絵になる街角と、逆に邪魔に感じる場所があって、大阪と神戸はそれに当てはまるのかもしれない。


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