夏の日の思い出
8月上旬に、集中豪雨で大惨事となってしまった佐用町のひまわり畑に行った後、ETCを利用して神戸まで一気に走り、夕方には垂水のマリンピア神戸にいたわけだ。
途中、中国道で200km/hでぶっ飛ばしていく新しいGT−Rが追い越して行ったので、思わず反射的に追っかけて行こうかと思ったが、私ももうそこまで若くもないし、向こうは余裕の速度だが、こっちはいたわってやらねばならない年代モノであまり無理させたくなかったので、自重することにした。ステーションワゴンに突っつかれたら、どこまでも速度を上げてくるのは、経験上分かっていたからでもある。
でも、最近のGT−Rって、私のように自分でコツコツ弄って楽しむタイプには面白くないようで、すべてメーカーの管理の下で乗れってクルマらしい。完成度は高いのだろうが、愛着が湧くのだろうかって思ってしまう。
その日はとにかく蒸し暑い夕方だったが、天気がいいのか悪いのかよく分からない空模様であった。夕焼けが出ていると思えば真っ黒い雲がやってきたりで、まさにそれは翌日の佐用町の悪夢の前兆であったわけだ。
上空で雨が降っていても、暑さで蒸発してしまっていたのか、雨が落ちていないのに虹が出ていたので、すかさず携帯していたLUMIXで撮った。
こんな時に、コンデジを携帯していると便利なのである。特に自然現象にかかわることは、予測がつかない時にシャッターチャンスが訪れるのだから。
それなら常に一眼レフを持ち歩けよ。と言われそうだが、ちっさいD40を持ち歩くぐらいなら、D300を持っていたいのだから、完全に切り替えるとなるとコンデジなのである。
その後、余りに暑いので、日が暮れてから六甲の展望台まで登ってみることにした。久々のヒルクライムである。
勝手知ったる再度山から登ることにしたが、昔に比べて走りにくくなったものである。センターラインが常にガタガタだし、コーナーの手前は車線全体がガタガタにしてあって、さらに不快指数が上がってしまった。
まぁ、その不快感を与えて、ゆっくり走れということなのだから仕方が無い。
しかし、足回りのリファインのおかげでコーナーリングのスムーズなこと。同乗者が居なかったら、前方を走っていたロールケージを組んだロードスターと遊べたのに。
しかし、調子に乗っていたら、水温計の針が110℃に届こうとしているではないか。タイヤもゴムの溶ける臭いを発してきたところで、山頂に到着である。
やっぱり、山頂に着くと下界より10℃は気温が低いようで、いい夕涼みが出来た。しかし、夜景は展望台より芦有ドライブウェイの展望パーキングの方が絶対キレイである。しかし、これは神戸の夜景と言うより、大阪平野が見渡せる感じである。
展望台から下る頃には小雨がぱらついてきたが、下りはエンジンへの負担が軽いので気温の低さも味方して、水温は一気に90℃以下に下がっていく。それに反して、ブレーキの負担は大きくなるがパッドを換えていることもあって、熱でタレる様子はなかった。
しかし、真っ暗闇の六甲の細いワインディングを久しぶりに走ったが、歳のせいで目が悪くなったのか、それとも視野が狭くなったのか非常に走りづらく感じてしまった。
HIDのライトに換えてあるが、照射しているところは非常に明るいが、それ以外が真っ暗に感じるのである。若い頃は当然HIDなど無かったわけで、今は逆に明るすぎることで瞳孔が閉じ気味になってしまっているのではないだろうか。それで、正面から外れるコーナーの出口付近が真っ暗に感じるのではないかと思うのである。
ステアリングと同時にライトの向きが変化するような便利機能はついていないので、幅広く照射してくれるフォグランプもHIDにしようかと思いはじめている。今回もイエローバルブのフォグを同時点灯していたが、どうしても目先だけしか照らしてくれなかった。これをHID化することで、広く遠くまで照らしてくれるようになり、暗闇のワインディングが走りやすくなるはずである。
ただ、時間的に早かったこともあり、ファミリーカーの姿もチラホラで、走り屋的なマシンは少なかった。それで、私は高速コーナーリングを楽しんではいたが、ファミリーカーにすごい勢いで追いついてしまうと、煽っているわけではないのに、左によって道を譲ってくれるのである。昼間と違って、急に明るいHIDのライトが迫って来たように感じるのであろう。すごく申し訳ない気がして、ゆっくり走っているテールランプが見えた瞬間にアクセルをゆるめることにしたわけだ。
怖い思いをさせてしまったかもしれないし、デートでドライブを楽しんでいるカップルなどは、煽られて男のプライドを傷つけてしまったかもしれない。