なまった身体を動かそう
文化の日あたりは一気に冷え込んで、北の方では雪まで降っていたようだ。私は雪国で暮らしたことが無いが、スタッドレスが必要な地域はこれから春までは、冬タイヤに履き替えなければならないのだから大変だと同情してしまう。
趣味でウインター・スポーツを楽しむ人は仕方がないが、生活のためにもうワンセットタイヤが必要になるのは、金銭的にも走りを愉しむ上でも、辛い時期に突入したことになる。
さらに、この時期は雪が降ったと思ったら、また季節が逆戻りしたりで、タイヤを交換するタイミングも難しいのだろう。
私の方は11月から仕事場を引っ越すことになり、クルマ通勤ではなくなったので淋しいような、嬉しいような複雑な気分である。
毎日クルマに乗れるのは楽しいが、往復40kmは通勤だけで年間1万km走ることになるから、一気に走行距離が伸びてしまう。さらに、ドア・ツー・ドアで運動不足の極みであったから、今月からそれも解消されることであろう。
また、クルマの方は熱対策でボンネットのエア・アウトレットを装着して以来、まったくいじっていないが、その代わりに、キャノンデールのフルサスMTBにオーバーホールに近い整備を行っているのである。
10年以上前のモデルではあるが、キャノンデールのスーパーVと言えば、独特のスタイルもあって今でも古さを感じさせない。まぁ、水冷ポルシェをレストアして乗るようなものだが、腐ってもキャノンデールであるから、まだまだ乗るつもりである。
設計の古さは確かにあるが、本格的なレースに出るわけでもないので充分なのである。
私が以前、よく釣りに行っていた権現ダムの周りがサイクリングロードになっていて、一周がちょうど10kmであるが、なまった身体のリハビリには丁度いい汗がかけて実に気持ちがいいのである。
ただ、この人造湖は中央に横切る橋が無いので、半分の距離でショートカットできないわけで、10Kmで物足りない時は20km走らなければならない。もちろん途中で引き返せばいいのだろうが、それはなんとなく気が進まないのである。
メッセンジャーの一日の走行距離を考えると、たったの20kmであるが、明確な目的もなく走るのは肉体的より、気分的にノレないのである。
となると、どこか目的地を決めてその場所を目指す走り方の方がいいのかもしれない。大阪にいる頃は、一番便利な交通手段としていて、そこそこ距離を走ることが多かったわけで、大都会だとMTBほど便利な脚はない。
今は、新しく組んだギヤとチェーンの調子を見ながら、また前後のエアーサスペンションのバランスをセッティングしながらの走行であるが、季節的には最高である。MTBだから太いブロックパターンのタイヤで山をガンガン攻めるべきなのだろうが、アスファルトを走る時の大きな転がり抵抗とパターン・ノイズが余り好きではないので、細いスリックタイヤに交換しているが、前後のサスペンションとのこの組み合わせが気に入っている。
前後にサスペンションが付いたMTBだと、ホームセンターで売っているものをイメージされては困るわけで、サスペンションだけでパーツ代が軽く10万円を超える上級車は、ペダリングのたびにリアサスがフニャフニャ動くようなことはない。
サスペンションが無闇にストロークしてしまうと、乗り心地はいいかもしれないが、パワーのロス以外の何ものでもなく、ちっとも前に進まないってことになる。
こんな高価なバイク(自転車とは言わない)は、もちろん買ったわけではなく譲り受けたものであるから、フレームサイズが私には少々小さいと思われる。ペダリングが楽な位置にサドルを調整すると、ハンドルの位置がかなりサドルより下がってしまうので、快適に長距離ツーリングする姿勢ではなくなってしまう。それで、その対策をこれから施す予定で、パーツはオークションですでに入手済みである。
ただ、バイクのパーツは互換性があるようで、色々と規格サイズが微妙に違うので難しい。
それと、最近はロードバイクが大流行で、MTBの人気は下火になっているようだ。サイクルショップでも、ロードバイクがメインで展示されているのが主流になってきた。私も若い頃はロードバイクに乗っていたので、その楽しみは知っているが、カーボンフレームの気に入ったバイクを新車で買おうものなら、50万以上は覚悟しなければならないだろう。また、ロードバイクに乗っている人たちの殆どが、独特のタイツと派手なトップスの組み合わせであるが、あの格好だけは勘弁願いたい私なのである。
グローブも以前は使わずに乗っていたが、専用のグローブを使ったら快適で手のひらが痛くならずかなり楽であった。グローブとヘルメットぐらいは安全のためにも使った方がいいのかもしれないが、あのヘルメットもまだ抵抗感があって買えていないのである。
ジョギングもいいが、私はバイクで走る方が断然好きどころか、ジョギングなんて一度もしたことがない。自転車は長距離を楽に走る機械であると思われているが、身体の中で一番大きな大腿の筋肉を使う運動はかなり効果的で、ハンドルを引き付けることで上半身も使うわけだ。そして一番は、関節に衝撃が直接かからないので、膝や足首への負担が軽く水泳に近いのかもしれない。
同じ自転車であるから、ママチャリでもいい運動になるが、やっぱり高性能なバイクで気持ちよく走りたいではないか。一つ一つの拘って選んだパーツがしっかり仕事をしてくれているのを感じながら走るのが楽しいのである。
ってことで、今日のオマケ画像は、折りたたみ自転車をカスタムして撮影した時のカットである。