こっちまで腹が立つな


個人的に知っている人じゃないが、クルマ関係のネット経由で流れてきた情報である。1月22日の深夜から翌日にかけて、尼崎の武庫之荘でR34スカイラインが盗難されたとのこと。私も大阪でやられたので人事じゃない。

単に、道具としてクルマを使っている人であっても、盗難に遭えばショックであろう。さらに、ノーマルからコツコツ自分流に弄ってきた人にとっては、パーツ代以上の思い入れがある。
日夜、どんなパーツを組もうか悩むことも楽しく、それを装着して走って効果が体感できたときの気分は、経験した人にしか理解できないだろう。
さらに、それをDIYで苦労しながらやってきた人にとって、どれほどの喪失感を感じるかはわかっているつもりである。

自分で事故って廃車にしたのなら諦めもつくが、昨日まで従順に駐車場でオーナーがイグニッションをひねって、エンジンに火を入れてくれるのを待っていた可愛いパートナーが何者かの手によって連れ去られたら、いてもたってもいられないだろう。
そんな事件が、毎日どこかの街で起こっているわけだ。

特に、都会では日常茶飯事であるからか、警察もそれほど真剣に探してくれているとは思えない。人の命に関わることじゃないので、仕方がないといえばそれまでだが、もう少し何とかしようがないものだろうか。
どこかの貴金属店に泥棒が入ったら、大きくニュースで取り上げられるが、車の窃盗なんてまったくである。それどころか、タイヤをパンクさせて回っているような事件がニュースになったりする。車が忽然と消えることより、パンク魔の方が重大だというのだろうか。かなり高額な車でもニュースになっているのを見たことがない。
被害者の心の傷の深さで言えば、どれだけ思い入れがあるかを考えても、金銭で片がつく問題とそうでないものがある。保険屋さんの査定額なんかじゃ到底満足できるはずがないのだ。

私は、セキュリティを装着していて、衝撃があった時以外に、ジッキアップされて傾斜がついたり、ドアが開けられてルームランプが点灯したりなどのセンサーに反応があると、クルマのサイレンと同時に手元のリモコンのアラームが鳴るようになっている。過去に何度か夜中に起こされたが、猫の仕業であった。
しかし、これで近所迷惑だからと、セキュリティーをオフにしたりすると、そこを狙われるとも聞いている。
また、犯人に立ち向かうことは危険だから、やめた方がいいという人も多いが、私にはそんな忠告は無駄である。

保険金が入って、それで買い換えることができるからと、喜んでいた人がいたが、そんな人に乗られているクルマは可愛そうである。

大規模撮影会に、参加者の写真機材を盗む目的で参加する輩もいるらしく、可愛いおねーちゃんに気を取られていると、足元のカメラバッグを取られかねない。
確かに、カメラ機材も盗られりゃ痛い。当たり前のことであるが、信じられない感でいっぱいになる。しかし、今のデジ一なら、どんどん新しい機種が発売されるので、それほど愛着とかは無いかもしれない。それよりレンズ資産がやられることがショックである。
かなり苦労と無理をしてレンズはみんなコツコツ揃えているわけで、レンズ1本1本に自分の撮影スタイルが凝縮されている。

そういう、男の拘りの道具は物欲を抑えられない部類に入ることは認める。百歩譲って、どうしても欲しくてたまらなかったから、つい魔が差したのはヨシとしよう。しかし、換金目当てだけは絶対に許せないのである。


<−戻る