D300にやっと大口径望遠ズーム


モニターが新しくなって、快適に作業できると同時に画像が大きく表示できるので、写真の楽しさが増した。そうなるとまた新しい機材が欲しくなる。大口径のいいのを一本追加したくなっていた今日この頃である。
しかし、単レンズでもズームでも大口径となると値段が一気に跳ね上がるわけで、なかなか思い切れないところでもある。

一昔前までは、完成度の高い写真を撮ろうと思えば、純正レンズというのが通例で、あえて独特の癖を利用するべくレンズメーカーのレンズを使うなんてことがあった。
今は、それどころか、純正を脅かすレンズがどんどんサードパーティ製で出てきている。もちろん値段は安いから見栄を張る必要がなければ、選択肢は思いっきり広がることになる。
最近は、純正が偉いという風潮も薄らいでいるのかもしれない。アマチュアの集まる撮影会などで漏れ聞こえる会話を聞いていればだいたい傾向は分かるのだろうが、私も、大昔は撮影会にキヤノン純正のサンニッパを誇らしげに下げて行ったことがある。カメラ好きが集まる撮影会や鉄道写真の撮影ポイントでは、結果よりも持っている機材が目を引くのは仕方のないところ。

シグマの50mmF1.4なんかは、まさに大口径という感じで、フィルター径が77mmもあって威風堂々ってところで、縦位置グリップ付のボディには、純正よりよっぽど貫禄がある。デカイだけではなく、写りもいいらしいので欲しいレンズのひとつである。
ただ、AFの精度に個体差が激しいような情報もあるが、そのへんのクオリティと歩留まりが低い品質管理だとまだまだ世間を思わせているところが、無理しても純正を買おうと思わせる要因にもなっている。AFはピントがズレるわけだから明らかに不具合だとわかるが、描写の面で不具合があっても比較する同じレンズを持っていない限り、よっぽどの不良品以外は発覚しづらいのである。
どんどん売れて、どんどんクレームが上がってくれば、何らかの対策が施されるはずなので、これからサードパーティ製が売れまくる時代になって欲しい。
カメラメーカーもデジタル一眼ボディの値段がどんどん下がり、純正レンズで利益を出そうとしているように思える。そう考えると高すぎると思える高級レンズの価格設定も仕方がないところだろうが、ちょっとやり過ぎだと感じている。

そこの隙間産業とも言えるレンズメーカーには、是非とも今以上に頑張っていただきたい。ただ、レンズに関しては、異常なまでに神経質なユーザーが多いので、強烈なクレームもあるだろう。
私も以前、キヤノンのマクロレンズを新しく切り替えたときに、古いレンズをオークションに出品したことがあった。その落札者が、まさに異常な神経質タイプであり、レンズ内にホコリが見つかったと大騒ぎしてきた記憶がある。ピント調整時にレンズを駆動させれば、空気の出入りもあって小さなホコリが入るのは当たり前のことである。私はそんな輩と長くやり取りをする気がしなかったので、いくらか返金してやった記憶がある。そんなクレーマーに出くわすことになるのなら、中古業者に売りに行く方がよっぽど気持ちがいい。

私の撮影ジャンルから考えて、高速AFや手ブレ防止機能は、あれば助かるがマスト条件とまではいかない。そこで今回は、タムロンのSP AF70-200mm F/2.8 Diを買ってみた。最短撮影距離が95cmというのもいいじゃないか。写りは純正に見劣りしないので、これでしばらく撮ってみることにする。AFが純正並みに速いシグマ製より、なぜかこのトロいタムロンの方に魅力を感じてしまったのである。結果、値段も安いのだから、なおラッキーである。
ポートレートではDXフォーマットのD300だと出番が少ないと思うが、昔流行ったサンニッパ的な撮り方も時にはいいだろう。それより、風景ではどうしてもこのクラスのレンズが欲しかったので、1本持っておこうと思ったのである。クルマの撮影においても暗いズームではどうしてもバックが邪魔に感じることがあったので、これからは、標準ナノクリとセットで使うことになりそうだ。
そりゃ、新型のニコン純正がいいのは決まっているが、3倍の価格差を埋めるだけの魅力を感じなかったわけで、タムロンのこのレンズも描写に関して言えば、なかなか評判がいいようなので、いい買い物だと思っている。

DXフォーマットでは、ズームリングを回すと一気に300mmまで行ってしまうわけで、アラが目立ちやすいデジタル時代に手持ちは確かに厳しい。邪魔くさいからと手持ちで撮ると、ブレを抑えるだけでも体力の消耗があり、一脚を積極的に使用するつもりである。その方が結果的に歩留まりも上がるしトータルで楽だろう。
このクラスのレンズになると、三脚座がレンズに付いているからボールヘッドを付けた一脚を装着したまま転がしておけばいいわけだ。そうすればボディはフリーだから、短いレンズで撮る時は素早いレンズ交換とフットワークを活かした撮影が可能になる。こんな撮影を大規模撮影会でやったら、気が付けば盗まれているなんてことになるだろうな。そうならなくても、こんなロケばかりしているから、傷だらけの機材ばかりになってしまう。
後は、一脚であるが、高さの調整がグリップ操作だけで出来てしまうマンフロットの一脚を盗まれてしまい、今は間に合わせ的に携帯性が良くて軽い、ULTRA STICK 50LXを使っているが、このレンズでポートレートを撮るとなると、使い慣れたマンフロットの334Bを再購入する方向で検討しようと思っている。

キヤノンでは135mmF2Lが最高に好きだったので、DXフォーマットではそれに近い写りをしそうな85mmF1.4もずっと気になっているレンズである。
当分D300を使っていくつもりなので、30mmF1.4は持っているので、50mmと85mmのF1.4は持っておかねばならないと思っている。すでに純正の50mmレンズは持っているが、シグマの1.4が気になるわけである。

欲しいレンズはたくさんあるわけで、馬鹿げた価格設定のニコンのシフトレンズも諦めたわけじゃない。でも、今は新しく仲間入りしたタムロンの大口径望遠ズームをである。届いたその日に行うのはどのレンズもピントのチェックで、ズームレンズの場合は、これがまた邪魔くさい作業なのである。
今回も、色んな焦点距離でピントチェックを兼ねた撮影を行ってみたが、ほぼ満足。厳密には僅かに前ピンであるようだ。D300のAF微調整機能を使うかどうか悩ましい状況であるので、次回はその辺を煮詰めていこうと思っている。


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