一日一善


 これは、とにかく一旦撮影に出たら、ポートレートに限らず風景でもなんでもいいの
すが、何か一つ新しいことを試みてみようと思っているのです。
当然いつも手を抜いているわけではないが、おんなの子の表情を追っていいシャッター
が切れていると、ついそのことを言い訳にして何かを試みるのが億劫になっていまうこ
とがある。

 例えば、フィルターを使ってみるとか、広角レンズを使うとかちょっとしたことなん
でですが、そんなことするより今のまま突っ走ろうって気になることが多いのです。
それはそれでいい判断の場合もあるが、ほとんどは邪魔臭いんですね、これが。
 
 私は結構マメに日頃から自作のフィルターを作ってみたり、レフ板を試行錯誤しなが
ら三脚と合体させてみたりと、いろいろ自分なりに工夫をしているのだが、いざ撮影が
はじまると夢中になってしまうんですよね。
 今日はこのフィルムを使おうと決めて行く場合もありますが、結局とてもいい表情が
撮れてる時は慣れたフィルムで完璧に押さえておきたいという気になるんです。
でも、言い換えれば、過去にこのフィルムを少しずつでも使って、データが取れていれ
ば安心してココゾという時に使えてたのですね。

 とは、いいながら結構撮影の合間を見つけて煙草を吸ってたりしますので、いくらで
も試すネタを考える余裕はあるんです、でも現場ではその思考回路が止まってしまうよ
うな感じです。露出の計算で私のCPUは熱暴走しかけているのでしょうか・・・・
それが最近特に顕著であると思えてならない。

 一回の撮影で必ず何か新しいことを試すか、もしくは志半ばの技術を少しでも習得す
ると肝に銘じておかないと、進歩が無い。それに新しいことを試みる中で基本を再認識
することも多々あったりして、いいことずくめなのだが・・・・

それから、最近のサボり癖の元凶はある程度分かっているのです。それは今私の目の
前にあるものなのです。そう・・・パソコン・・・・その中には”Photoshop”
というとてつもなく賢く従順なプロラボ技術者が入っているのです。
ですから、例えば一面芝生の上で撮影する時は顔まで緑色がかってくるので必ずマゼン
タ系かアンバー系のフィルターを付けていたのに、最近はそれを怠ってしまうことがあ
ったりします。まぁ、いいかっ!って感じで。恐ろしいことに足元に小さなゴミが落ち
ていたって、後で修正すりゃいいし・・・・ 人間はなんて怠け者なのでしょう。

 写真は人に見てもらってこそ意味があると思っているのですが、最近はコンテストに
出したり雑誌に掲載されるようなこともせず、せっせとスキャニングに励んでいるので
す。そして、このJoe’s galleryなどのWebサイトで公開しているのです。
その行為自体は悪いことではないのですが、便利なツールを手に入れたことで撮影に甘
えが出てしまっているのは確かです。
 白状しますと、ここのJoe’s galleryでも、一点だけレタッチで吸い殻を
消してしまいました。その写真は気に入っていたのですが、アナログの世界ではボツだ
ったのです。それが見事に日の目を見ることになってしまいました。(自己嫌悪・・・)


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