レンズあれこれ


写真はレンズで決まる。これは私が初めてカメラを手にした頃に最初耳にした言葉である。
その頃は小学生であり、レンズ交換が出来ることもあまり意識せずに50mmレンズ一本で撮って
いた時期で、よく意味が分からなかった。そしてこのことを身を持って感じ出したのはEOSでシ
ステムを組みだした頃であるからそんなに昔のことではない。

その時期はちょうどポートレートを撮り出した頃であり、普及ズームから大口径レンズを揃え出し
たのである。使ってみて初めて分かることだが、今考えると回り道をしていることに気づくのだ。
最初使ったPENTAXには50mmF1.7か1.8が付いていたし(記憶がさだかではない)
その後も19歳でバイトして買ったCanonA−1には50mmF1.4を付けていた。れっき
とした大口径レンズである。しばらくしてAFブームとなりPENTAXのSF−Xの時に普及版
ズームを使ったのがイケてなかった。当時はAFの面白さと、ズームの便利さに気を取られていた
のである。ISO400ネガを使っていたからF値が暗いことも気にならなかった完璧なシロート
であった。中学の頃には暗室にこもってモノクロのプリントまでしていたのに・・・
バイクとクルマの誘惑に負け、歌手の徳永英明と同級生という環境もあって音楽にも興味を持った
時期でもあった。

愛用のA−1が盗まれてから、しばらくはカメラを持たない時期もあり、クルマの写真を撮りたい
とコンパクトカメラを買ったりしていた。その後SF−Xで一眼レフユーザーに返り咲いてすぐに
EOSへと軌道修正し今に至っている。

紆余曲折あったが、今言えるのはレンズはやっぱり「高いものほどいい」ってことだ。
Canon EF50mmF1.0L USMなどは論外だが、高いレンズはそれなりにいい写真が
撮れるのだ。また、新しい設計のレンズは昔のレンズより、やっぱりいい!結局高くて新しいレン
ズが偉いのである。

CanonのEFレンズについてであるが、新しいレンズはレンズ内モーターのフィーリングもい
いしUSM付きなどはタッチもいいように感じる。また、レンズのコーティングも進歩しているよ
うだ。
高いレンズがいいのは当たり前であるが、EFレンズであればLレンズと言われるやつは高い!!
Lレンズで一番安いレンズはEF100−300mmF5.6Lで¥93,800である。
このレンズはかなり古くF値も5.6と暗いが蛍石を使っており大山謙一郎大先生が使っている所
を目撃したことがある。
このLレンズは一般のレンズと違い蛍石、研削非球面レンズ、UDレンズが使われた贅沢な設計の
レンズにのみ与えられる称号である。高いだけあってやっぱり違うのである。
私が先日絶賛したEF135mmF2L USMはそのLレンズの最新バージョンの中の一本である。

Lレンズとまでは言わないが、レンズメーカー製でもいいので是非大口径レンズをラインナップに
加えて頂きたい。大口径レンズはデカイ、重いの二重苦であるが、暗い普及レンズでは絶対に実現
出来ない世界が味わえるのだ。
例えば、軽四に乗ってもベンツに乗っても同じ目的地に到着できるが、しょぼいレンズでは大口径
の創り出す世界にはたどり着けないのである。
しいて、共通点を挙げれば見栄を張れるってことか・・・

Canonのレンズで不満に思うのは、MINOLTAのような円形絞りが採用されていないこと
である。USMを実現させたメーカーがそんなことを出来ないはずはないのだが・・・・
どうしても、1、2段絞り込むと多角形のボケになってしまうのだ。
せっかくの大口径なのに、開放で撮れと言われるかもしれないが、やっぱり少し絞った方がシャー
プで写りはいいのである。だが、今流行の手ブレ補正レンズEF28-135mm F3.5-5.6 IS USMで1段絞
るとF8なってしまうが、大口径のF2であれば1段絞ってもF2.8で撮れるのだ。この差は大
きい!ポートレートでF8はまず使わないのである。バックをぼかすなんてとんでもない話である。
買った人は多いでしょうが、ポートレートを撮るのであれば、とっとと売りに行きましょう。今な
ら高く売れますよ、きっと。そして135mmF2を買いましょう。

私が使っているマクロレンズはCanonのEF100mmF2.8マクロだが、このレンズはい
ただけない。とにかく設計が古すぎる。USMも付いていないので、はなからAFは使わずMFで
ピント合わせをしているが、最新の180mmF3.5LマクロUSMが是非欲しいものだ。しか
し、驚きの¥220,000!なのである。100mmであればなんとか手持ちで撮れるが180
mmとなればまず無理であろう。これにこそIS(イメージスタビライザー)をおごるべきではなか
ったか? でも、これが発売されたらまた喉から手状態になってしまいそうだ。大体手ブレ補正レ
ンズを暗いレンズに付けて、その弱点を補うのではなくもっとプラス思考で考えてもらいたい。

今までスポース写真はCanon独壇場であり、フィールドに白レンズの山をきずいていたがF5
の出現でNikonがかなり巻き返している。聞く所によれば、Nikonのトップから目障りな
白レンズをTV画面から一掃せよと指示があったとか・・・・
白いUSM Lレンズ軍団は向かうところ敵無しなのであるから、それにIS機能をぶち込めば、
いくらF5が優秀なボディーといえども牙城は崩せないのではないか。

打倒F5で開発中と思われるEOSの旗艦が発表されるまでは、EFレンズ充実を望みたい。


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