今明かすフィルム・スキャナー選びは慎重に


この件については、書くのをちょっとためらっていたのである。
本当はこのJoe's galleryがオープンした時に、思いっきり書いてやろうと思ったのだ
が、その時に書けば、かなりキツイことを書いてしまいそうだったので、あえて黙っていた。
そして、かなり日も経って頭が冷えてきたので書くことにする。これについては、知りたい人も多
いであろう。特にここのお客さんは多かれ少なかれ、写真に興味を持っておられ、自分の写真をス
キャニングして保存されている方や、これからホームページを立ち上げて自慢の写真を展示したい
と考えておられる方がいるはずであるから。

初めに断っておくが、これから私が書くことはすべて経験談であり、他人の受け売りではない。
私が実際に使って感じたことである。

去年の今頃にホームページで写真を公開するのなら、フィルム・スキャナーが無いと話にならん。
ということで、とりあえず中古でEPSONのFS1200を購入した。
このFS1200でスキャニングと、レタッチの基本をかなり習得したつもりである。私が今まで
スキャニングした画像データの半数はこのEPSONのFS1200なのである。
半年の間このスキャナーで頑張ってきたが、Special Photo Galleryに画像をアップする機会が出
来たので、いっちょうグレードアップしてみっかぁ!って具合で去年の末にフィルム・スキャナー
の買い替えを思いついたのだ。候補にあがったのは、CanonのCanoScan2700Fと
NikonのCOOLSCANUであった。なぜかMINOLTAを初めとしたその他の製品は特
に理由はないが候補としては考えていなかった。

私がネット上で良く名前を目にしたのがCOOLSCANUだったので、とりあえず兵庫県の思い
つく限りのPCショップに問い合わせたが、どこも在庫ゼロの状態であった。やっぱり人気がある
のか?それとも、あまり入荷する気が無いのか・・・・ しかし、CanoScanは大体どこの
店でも在庫が有り、いつでも何処でも買える状態であった。ちょうどそれが去年のクリスマスの頃
である。

買おうと一旦決めてしまうと、引っ込みがつかなくなる性格である私は、どちらかを年内中に導入
することを心に決めていたのである。しかし、多忙を極めており大阪まで買いに行く暇が無かった
のだ。と、言うことは必然的にCanoScan2700Fと決定したようなものであった。

元々、Canonの製品で撮影機材は揃えているし、その頃はまだCanonの製品に対する信頼
は高かったのである。・・・・・ これ以降はCanon関係の人は読まないで欲しいような、是非
読んで欲しいような・・・・・ はっきりせんかい!!

で、買って帰ってさっそく接続である。すんなり一発でOK! Photoshopから起動させて
みる。そしてEPSONの使いやすいフィルム・フォルダーに比べると、高級感はあるが使い辛い
フォルダーにポジをセットし、スキャニング開始!確かに速いが、一枚ずつしかスキャンできない
のでトータル時間は、変わらないような感じであった。そして、仕上がりは素晴らしいとまではい
かないが、まずまずであったと記憶している。しかし、その写真は白っぽい壁をバックに撮ったヌ
ードであった。今度は暗く落ち込んだバックの沙紀ちゃんのポジである・・・・!!
なんやこれっ!ってのが、その時の印象であった。だが、その時はまだ、それほどの悲壮感はなか
ったのである。これに似た症状はEPSONでも起ったことがあり、その時はドライバーを再イン
ストールしたらウソのように治ってしまったのだった。またか・・・という思いで再インストール
したが、全く変化無し。や・ば・い・・・・
必死の試行錯誤でも、芳しい効果は無し。

ある筋からNIFTYのCanonの会議室のことを知り、さっそくコメント・チェーンを読むと
とんでもない事実が判明したのである。初期ロットは密かにバージョンアップを持ち込みの方には
行っており、もっとすごいことまで・・・・
ユーザーの攻撃により、急遽ドライバーを書き直し、バージョンアップしたようである。
私が購入したのは、その改良型であったが、根本的には治っておらず、ドライバーソフトの味付け
で誤魔化しているようなものであった。
どのような現象かと言えば、色合いはハデハデな下品なもので、シャドウ部分にノイズが出まくる
のである。そのNIFTYの会議室でのCanon側の解答に従って、スキャンしたがアンダーに
なってしまい、それを明るく補正するとシャドウ部分からノイズが浮き上がってくるのである。
同時に、色が抜けたようにもなってしまうのであった。
個体差はあると思うが、私と同じ症状の人が全国に何人もおり、抗議のコメントで溢れかえってい
たのには、さすがに参ってしまった。私は、もっとましなドライバーの開発を急げとコメントした
が、納得のいく解答は得られなかったのである。
また、試しにネガのスキャニングをしてみたが、それも私の許容範囲を大きく越えるものであった。

私は、Canonのカメラ機材を使い続けており、銀塩カメラに関しては絶大な信頼と満足感を持
っていた。しかし、CanoScan2700Fに関しては、失望させられたのである。
どう見ても、煮詰められて開発したとは思えないモノであった。
少し、愛するCanonを弁護すると、その後発表された新ドライバーはかなり、良くなっている
ようである。しかし、私の信用を回復することは出来ていない。

気の短い私は、年が明けてすぐに大坂の日本橋にCOOLSCANUを求めて旅立ったのである。
実際、いつまでもダメなものに付き合っていれるほど暇ではなかったのだ。時間の無駄と判断した
私の決断は間違っていなかったと、今でも思っている。
最新のCanonの製品が、EPSONの普及タイプに完敗するとは誰が想像できるであろう。

3台目となったCOOLSCANUであるが、結果は良好である。おおむね満足ってところであろ
うか。発色としてはEPSONの方がはっきりしていて好きではあるが、LEDを使っているから
か、COOLSCANUは地味目の色である。しかし、ドライバーもPhotoshopを使って
いる私には、操作し易くほぼ一発で満足できる画像を提供してくれるのでスキャニング全体の時間
も短縮できるのである。
地味目の色もPhotoshopでのレタッチで、元のポジに近い感じに出来るので特に問題には
なっていない。

そこで、このJoe's galleryではお馴染みになった、沙紀ちゃんの画像を3台のスキャ
ナー別に見て、比較して頂きたいのである。

1.EPSON FS1200

  ラチチュードが少し狭いようで、ハイライトの飛びが起きる場合があるが、
  ほぼ、スキャニングしたままで問題ない。
  この中では、唯一固定ピントなので少しピントが甘い。
 
2.Canon CanoScan2700F

  スキャニングしたままでは、まず使えない。それでスキャン時にトーンカーブをいじり、
  ノイズの発生するシャドウ部分を黒く潰し気味にし、さらにスキャニング後もレタッチで
  かなり手直しが必要となる。全体的に画質が粗い印象がある。
  全体に、暗いイメージになっているが、Canon側の指示通りにスキャンするとド・ア
  ンダーになってしまう。これを明るくレタッチしているのだが、だがこれ以上明るくすると
  アラが目立ってしまうのである。それを考えると、ラチチュードが狭いと言えるのである。

3.Nikon COOLSCANU

  シャドウ部分にノイズは多少出ているが、ほとんどいじることなくこれだけの画質である。
  地味目の発色であるが、肌のポートレートで一番大切な肌のトーンは一番美しい。
  また、新しいNikonのLS−2000はシャドウ部分のノイズやホコリによる汚れが
  除去される機能が付いているらしい。
  でも、年間4台もスキャナーを買えるはずないわい。


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