ありゃりゃ・・・スランプかぁ?
だめだ・・・ 最近、感性と技術がかみ合っていない。
何かが狂わされている感じである。
感性をフル回転させていい表情を捕えてみたものの、それに心躍らされるからか、技術的な完成度
がガタ落ちとなってしまうのである。
どれだけいい被写体に出会い、その良さを引き出せたとしても、それを完璧にフィルム上に焼き付
けなければ、何もならない。
それが、最近出来ていないと思うのである。
何故であろうか・・・ 確かに、シャッターを押す瞬間は全神経がファインダーの中のモデルの目
に集中している。それが過ぎるのかピントがずれていることが多い。
完璧なスランプだ、バッティングが不調だと、守備にまで影響するってことが野球の世界にはある
ようだが、私も波及効果が恐ろしい。何とか脱出しなければならないが、どんな方法がいいだろう
か? 悩みどころである。
私が、おかしくなった原因は、薄々分かっているのである。私の今までの撮影スタイルのペースを
乱す者が現れたということだ。
それは、既に察しがついている方もおられると思うが、まなちゃんの出現が私を狂わせたのである。
今までどんなに大物のモデルでも、また、どんなに凄い先生が私に時間をやるから、このモデルを
好きに使って撮って見ろと言われても、こんな事にはならなかったのだ。
いったい、何がどうなってんだか・・・・
狂わせたと言っても、誤解のないようにお願いしたい。私の撮影スタイルというか、写真でモデル
のもっともっと、ずうっと深い部分を引き出せるってことを教えてくれた、大切な人となったので
ある。
言い換えれば、感性の部分に関して私は壁にぶち当たっていたのかもしれない。その高い壁を少し
だけ、手を伸ばせば届きそうなところまで引き下げてくれたような気がしている。
まなちゃんはれっきとしたプロのモデルであるが、不自然に作ったところがなくあくまで自然体な
のだ。
実際、プロのモデルの場合レンズを向けると、手を顔の横に持ってきたり、決めの表情を作ること
が多い。また素人モデルの場合は、ポージングなんて出来ないし、自然にしてろったって、無理な
話でロボコップのような動きになってしまう。そんなモデルを数え切れないほど撮ってきたが、ま
なちゃんは、今までにお目にかかったことのないモデルであったのだ。そして、私は何かを掴んだ
ような気がしている。
その何かは、先日の水着撮影会での写真にも、少しであるが活かされている気がした。
私の回りには、私の写真の理解者がいるのだが、そのうちの一人が最初ここの撮影雑記でまなちゃ
んのことを触れた後に、「まなちゃんのことが、めちゃめちゃ気になる!」って言ってきた。
そこで、まなちゃんの写真を見せた。そこでこんなコメントを寄せてきた。
私が何枚か見せた写真の最初のカットは階段の上からこちらをじっと見下ろしているカットである
が、それを頭に入れて彼のコメントの全文をそのままをどうぞ・・・
001の画を観て、わたしは固まってしまいました。(下のほうじゃないですよ。)
たしかに、目がちがう。(撮影現場ではもっとスゴいんでしょうけど)
お人形さん系のモデルの目じゃない。
いい意味で「わらってない、やさしくない」
でも、敵意は無い。なんか、すでに飲み込まれてしまった感じ・・・
他の画も、視線が流れてる時にもスキがない感じ
カメラをみてるときは、ファインダーのこっちの自分の目を見られてるような・・
この目なら、たしかに刺さってきますよ。
こんな人の前では、わたしは絶対シャッター切れません。
失敗が許されないような気がして。
実に上手いこと言うな・・・ 彼なら分かってくれると思っていた。
もう一人の理解者であるが、今度は女性で18歳の芸大生だが、彼女は非常に感性豊かなのだ。
では、おんなの子の意見はこうだ。
まなちゃん、正直初めてまなちゃんをみたときはこれと言って何も感じなかったんだぁ。
JOEちゃんは「すごい!すごい!」って言うけれど一体どこが・・
どこのあたりがすごいのだろう?って。
JOEちゃんをそこまで言わす要素は一体なんなのだろうって。
なんだかとてももどかしく感じたなぁ。
際だって顔が鋭く、際だって美しいというわけでもないように感じたんだぁ。
噛みつかれるようなオ−ラも感じられない。どちらかと言うとホワホワと浮いて
るような感じだけがやけに印象に残ったのを覚えてるなあ。
しばらくわからないまま、JOEちゃんの撮る写真をながめる日が続いた。
みるほどにドキドキを感じるようになってきた。
みればみるほどに深く淡く何か今までと違うものを感じられるようになってきたんだぁ。
それは淡々としていて、そして甘くなまめかしく・・・う〜ん・・とにかく違う!!!
まなちゃんの目?確かにまなちゃんがレンズに向ける目は今までみてきたモデルさんとは違う。
明らかに違うと思った。
「サ−ビス」今までのモデルさんの表情はあからさまに「はい!サ−ビスぅぅぅ」って感じが
したんだぁ。
それは仕事として、笑顔が仕事、笑顔のいのち〜って感じの表情。
そんな表情ばかりしかみられなかったような気がした。
まなちゃんにはそのサ−ビスぅぅぅっていう表情がどこにもみられなかった。
一番にそこが違うと思う。
それになんと言ってもみるほどに増すこの魅力!
ほわほわしてて、でも怪しい。
ぷっくりとしたくちびるにすいこまれそう。
たあちゃんはまなちゃんのかもしだす雰囲気、空気がすき。
でも明朗活発という感じはまなちゃんから感じることはできなかったな。
そこがまた他のモデルさんとはちがう特権だと思うなぁ。
まなちゃんには変に笑顔を意識してもらいたくないなぁ。
笑顔をしたとしても、モデルさんが得意とする同じような笑顔はしてもらいたくない。
なるほど・・・ 分かってくれとる。ヨシヨシ。
おおっと! 大きく話がそれてしまった。
ピントが合わない・・・・ どうしよう・・・・ ってことだったが、水着撮影会でピントに関して
重点的にチェックした結果、愛機であるEOS−1N RSのオートフォーカスが不調であることが
判明した。そして、今日RSクンは病院送りとなったのである。
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