Gallery別館の開設にあたって


Joe's galleryを開設して5ヶ月が過ぎようとしている。展示した写真は600枚を越
え、個人で開設している写真サイトでは国内でも最大級であろう。
また、同時に連載しているこの撮影雑記で、私の写真に対するスタンスは70話に渡って書いてき
たつもりである。
撮影雑記は誰に邪魔されることも無く、私が好き勝手に独断と偏見に満ちた内容であるが、抗議や
反論のメールどころか、賛同者が予想以上に多いことに驚いている。まぁ、呆れ返って言葉を失っ
ているのかもしれないが・・・

それで、私がここJoe's galleryで発表している写真は、正統的なポートレートに限っ
ていた。それは、あえてそうしていたのである。「もっとセクシーさが欲しい・・・」なんてリク
エストが無かったわけではないが、そんな声に心動かされることは一度もなく、逆にそんなに風に
思うのなら、巷にいくらでもその手のサイトはあるのだからそっちに行けばぁ。って考えでいた。
元来、私は他人に言われて考え方を変えるのが一番嫌いなのである。

そんなポリシーを貫いてきた5ヵ月であり、訪れてくれるリピーターの方々も、それを納得してく
れていたと信じている。
私が、ヌードを一切公開しなかったのは、私のおねーちゃん写真の原点は表情を切り取ることであ
り、レンズ・ワークと露出コントーロールをそれに加えることで充分表現できると思っていたので
ある。

しかし・・・考えが変わった。ここの撮影雑記を読んでくれている皆さんは、もう察しがついてい
ることであろうが、一人のモデルとの出会いがきっかけであった。
それはモデル水谷 愛との出会いである。愛と書いて「まな」と読む、私がまなちゃんと言って、
ここで書きまくっているモデルである。

その素晴らしさをここで書き出せば、きりがないので過去の撮影雑記を読んでもらうことにして、
今回は、「Gallery別館」として今回の作品を発表しようと考えたきっかけとなったことの
一つを紹介することにする。
VAIOを買ったまなちゃんは、E−Mailが使えるわけで、私は撮影した写真をスキャニング
している期間にその日の何枚かをメールに添付して送っていたのであるが、その時に私が書いたコ
メントに対して、まなちゃんが書いてきたレスに私は揺さぶられたのである。

その時のやり取りの一部を読んでもらいたい。当然まなちゃんはこれを紹介することを快くOKし
てくれている。

《Joe》
 今まであまり見せたことがないようなのを送るね。
 ソフトフォーカスのフィルターで撮ったやつだよ。
 今日の作った作品の中での一番のお気に入りかな。
 バックの川のせせらぎと、ふんわりとしたまなちゃんの姿が
 いいマッチングだと思うけどなぁ。

 それからね、この写真を見てて思ったんだけど、聞いてくれる?
 この優しい朝日を浴びて・・・ 川のせせらぎがキラキラしてて・・・
 ここに誰が立ってても、いいのかもしれないけれど・・・
 それは、まなちゃんじゃなければいけなかったって、妙に納得してしまったよ。
 まなちゃん以外じゃ考えられないんじゃないかな・・・? ってね。
 そんな写真って、めったに撮れるもんじゃないんだよ。
 まなちゃんに出会えて、すごくよかったって思ってる。

《まな》
 あの時はただ、静かで、澄んでる朝をイメージして自分自身が朝になっただけ。
 だから、なにも頭で考えないの。
 頭を透明にして自然でいたの。
 でも、こんな事いわれたら、モデルとしてもうれしいな。
 一番のほめ言葉だよ。


どうです? すごい感性だとは思わないか。
私がこの写真を撮った時、この奈良県の十津川村の清流の流れる河原は見渡す限り誰一人として人
影は無く、梅雨の真っ只中であるにもかかわらず、早朝から快晴に恵まれていた。
そんな中にたたずむまなちゃんの姿を見て、私は水の精が現れたような錯覚をおこしたのである。
自然と一体になり、一切の無駄な動きと感情を捨てたまなちゃんの裸身は、私の中のヌードに対す
るイメージを変えてしまったのである。身体全身がまなちゃんの表情なのだ。
そして、「Gallery別館」の建設は自然に何の抵抗も無く進められたのであった。

※この「Gallery別館」はまなちゃんの好意により公開しておりましたが、期間限定であり、現在閉館しております。

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