こんな撮り方分かる?


私はポートレートを撮る時は、当然モデルに惚れるのである。
疑似恋愛って言うのかもしれない。だから、どんなに努力しても疑似のギすらできないタイプは初
めっからパス!なんだよな。

誰か女性を好きになってデートに誘い出すことに成功したとする。
そして、お茶やお酒を飲みに行っても、相手の顔や仕種を見てしまうはずだ。あるいは憧れの女性
であれば、見とれてしまう。さらに、もっと素敵な部分をないだろうか・・・?って探したりする
そんな時に、新しい発見があったりすると嬉しくなったりしてね。

私のポートレートの撮り方は、まさにその感覚をそのまんま流用するのである。
だから、撮っている時は他人がどう思うとかは、まったく関係のないことであって、自分の感覚に
すべておまかせなのである。

だから、私は常にファインダー越しに表情や仕種を追いかけている。
一時間も撮れば眉の辺りが、ファインダーに圧迫されて痛くなってくるほどである。

デートの相手と話していて、その女の子が話しに夢中になって・・・ いい顔になって・・・
こっちがその話しにうなずいて・・・ するともっといい話しも聞けて・・・
楽しくなって・・・ 時間が経つのも忘れて語り合う・・・

その時の「ウンウンそうだね」「それからどうしたの?」ってのがシャッター音になるんじゃない
かな。
実際、息があってくるとこんな感じになることがある。
「えっ? なになに?」って感じでシャッターを押しつづけると、瞳が動くんですね。そんな時は
快感以外の何物でもない。

もう一つのパターン
これは、今開発中であると言っておこう。
私は、世間一般にカメラマンの掛け声として定着している「はいこっち見て! いいねぇ きれい
だよ」ってーのがキライである。というより上手く言えないのである。

で、最近はこんな感じで撮ることがある。
「あっ、髪が逆光ですごく綺麗に光ってる・・・ うん・・すごく綺麗・・・」
「もう少し右向いたらもっときれいかな・・・? そうそう・・・ でも目はこっちだよ」
なんて、話し掛けるんだね、ファインダーを覗きながら。
すると、表情が変わってくるのがよく分かるね。 最初は、??そんなに光ってるのかなぁ?って
顔してても、そのうち、いい顔になってくるんだよね。

窓際の時なんかは、「何か見える・・・?」って声をかけるだけで、まったく違ってくるはずだ。
イメージ作りの上手いというか・・・感性が豊かなモデルであれば、どんどん表情に現れてくるの
がわかるね。

そんな感じで、これからはこの「お話しましょ!」をキーワードにモデルと接してみようかと考え
ているのである。
まだ、これは最近ひらめいてやりだしたばかりであり、完成の域には到底達していない。
しかし、これはイケルと見ている。
歯の浮くような、意味の無い掛け声では、モデルの商業的な表情を順番にもらってるだけだと思う
のだ。

このアプローチの仕方を追究して行こうと思ったのは、モデルにこんなことを言われたからである。
「次、自分がどんな表情するのか自分でもわからないんだもん 変なの。」

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