『素顔のままで』第五弾


11/3は、予定通り犬島ロケに行くことが出来た。
週間天気予報では、危なっかしい感じであったが、直前になって完全な晴れマークに変わったので
ある。まなちゃんがヨーロッパ旅行に行っている間、私は天気予報のチェックばかりしていた。
ヨーロッパの天気もチェックして、まなちゃんが旅立つ前にロンドンは寒いぞ!と言ったのだが、
まなちゃんの話では、ロンドンに着いた時に、空港でダウンを来た人たちを見て、ヤバイと思った
らしい。それと残念なことに、ロンドンもパリも雨に降られたということだった。

さて、犬島であるが、11時の郵便船で渡ったのだが、その船を見て驚いてしまった。
失礼ながら、釣り舟に毛が生えたような船だとばかり思っていたのだが、80人以上が乗船できる
立派なものであった。帰りは日暮れ前の17時15分の船に乗ったが、島内の施設の工事関係者や
釣り客などで、満員状態であった。

で、今回は初めて犬島に行ったのであるが、事前に情報を仕入れていたとは言え、断片的な写真を
見ただけであり、撮影ポイントの全体像のイメージがいまいちピンと来ていなかったのである。
撮影ポイントとなるのは昔、銅の精練工場であったらしい廃工場で、朽ち果てたレンガ作りの建造
物である。行ってみて驚いたのは、かなり広い敷地に入り組んだレンガ塀が立ち並び、今にも崩れ
そうな煙突がそびえ立っていて、薄気味悪さを感じるほどであった。
犬島も、かなりリゾート化が進んでいるようで、精練工場跡での撮影もいつまで出来るか心配なと
ころである。かなり危険な建物であるし、何か事故でもあれば立ち入り禁止になる可能性が高いよ
うに感じた。
私個人としては、撮影しておいて勝手なことを言うようだが、あまり人が立ち入って欲しくないと
思うのだ。

この場所は、HIROさんの主催した撮影会の写真で見たことがあり気になっていたのだが、たま
たまHIROさんのHPを見たまなちゃんが、「いい雰囲気の場所で撮った写真があったよ」と言
うので、他の犬島での写真を見せると、ここだ!ということになり、それなら少し遠いが行ってみ
ようか!ってことになったのである。

最初に予定していた10/17は台風直撃となったため、まなちゃんの部屋での撮影に切り替えて
「ナチュラル&ブラック」と題して、第四弾での公開となっている。
その撮影後、まなちゃんはヨーロッパに行き、帰国してすぐの犬島行きとなった。
とにかく、今回の犬島行きは、まなちゃん旅の疲れも癒えぬうちなので心配だったのだが、木枯ら
しが吹き出してしまうと困るのである。かなりの薄着になってもらうし、島に渡って寒かったりし
たら撮影どころでなくなってしまうのである。
その点では、文句の付けようが無いほどの好天に恵まれ、これでも11月かと思えたのである。

今回は、EOSシステム以外にコンパクト・カメラを持って行った。これは普段持ち歩いているの
だが、本格的な撮影では使うことは無かったRICOHのGR1sである。何に使ったかと言うと
洞窟のようなトンネルの中でメイク中の姿などを撮ったりしたが、本来の目的は写真を撮る為では
なく、GR1sが被写体となったのである。
RICOH純正のネックストラップは幅広でさらに赤文字で ----GR---- と書かれていて、ちっ
ともオシャレじゃないので、IXY用のモノを付けている。とは言っても江角マキコがCMで着け
ているシルバーのチェーンのモノではなく、細い皮製のを選んだ。それにGR1sブラック仕様の
組み合わせで、更にまなちゃんはダークグレーのスーツ姿なのでかなり渋目の組み合わせである。

普段、不慣れなモデルの場合は小物を持たせると上手く行くケースが多いので、用意することがあ
るのだが、今回はまなちゃんにGR1sを持ってもらったが、サスガはまなちゃんである。
まるでCAPA誌の表紙を思わせるポーズがポンポン出てきた。
GR1sのCM撮りをしているような感じであったし、カメラを持つことで表情も生きてくるのが
良く分かった。素人モデルをリラックスさせるための小道具であるが、まなちゃんの手にかかれば
活き活きと演出されていくのだ。

で、肝心のGR1sの写りだが、高級コンパクトの面目躍如という感じで、真面目にピント合わせ
をやれば、そこそこ上手く行きそうである。
私は、AFロックとAEロックを部分測光で行っているのだが、この部分測光に関してはかなり、
範囲が広いので、RSのスポット測光と同じ感覚で扱うとヤバイ。
洞窟の中でストロボを使って撮ったものは、調光が絶妙であったと言うことを付け加えておきたい。
リバーサルを使っても、真面目に撮ればそれなりの結果を出してくれるカメラである。
付属の花形フードであるが、外れやすいのがたまにキズという感じだ。

今回のハプニングとしては、高台に登ると海が見渡せるのであるが、そこの崖っ淵の先端まで行け
ばなかなか雰囲気のある写真が撮れそうだと言うことにまなちゃんが気づき、足元が悪いのに頑張
ってたどり着いかけた時に、私は望遠でそれを狙おうとレンズの交換をしていたのだが、突然まな
ちゃんが「フギャーァ!」と叫び声をあげたのである。「ハチやぁー」と言って慌てて戻ろうとす
るが足場が悪いので簡単には逃げられない。行ってみると小指ほどもあるスズメ蜂がまなちゃんの
周りを威嚇するように飛び回っている。どうもそこの主だったに違いない。刺されでもしたら大変
な事になるので、絶好のポイントはあきらめることとなった。

まなちゃんは、ヘビが出そうな獣道のようなうっそうとした所でもどんどん進んで行き、クモの巣
が頭に引っかかってもびくともしないたくましさがあって、私としては本当に助かるのだ。
まなちゃんほど、撮影に協力的なモデルにはなかなかお目にかかれない。
しかし、我慢強いので何でも健気に「大丈夫!」と言ってくれるが、それに甘えないようにしなけ
れば。

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