身近な人を撮る


撮影雑記を読んでくれている方からは、時々メールがくる。海外の人たちはは当然撮影雑記は関西
なまりの日本語なので読めないから、写真に関しての感想が多い。
日本の方からのメールは、ほとんどが撮影雑記を読んでくれている人たちである。
中には、写真はあまり見ずに撮影雑記だけを楽しみにしてくれている方もいるようだ。
まぁ、それもありってことだが、撮影雑記を読んで写真が見たくなってくれればいんだけどね。
そして、決まって何か質問してくるのである。それが邪魔くさいからやめてくれと言っているので
はなくて、大歓迎であるし、私の知る限りのことは出来るだけ答えているつもりである。

最近の質問は、奥さんの写真を撮ったが本人と奥さんでは、気に入った表情が違うらしい。
彼は、ふと気を抜いた表情にひかれてシャッターを切るのだが、奥さんは目元に力の入ったきりっ
とした表情を好むらしい。
なるほどね・・・ それはあるかもしれないと思うし納得できる話である。
元来女性には変身願望があるのではないだろうか、メイクするのだってもちろんその現れだろうし、
そのメイクだって、目元がポイントである。
一方、彼としては自然で力の抜けた部分に惚れたんだと思うし、そんな表情を撮りたいと思うのは
無理も無いことである。

まなちゃんとの撮影では、いろんな表情を見せてくれているが、ナチュラルなパターンもあれば、
気合の入った鋭い表情も見せてくれる。
どちらがいいは、わたしは特に分けて考えてはいないが、基本的にシチュエーションと服装、メイ
クで気分が根本的に違うらしい。
私としても、意識して変身しようと努力しているようには見えないし、まなちゃんも仕上がった写
真を見て驚いているようだが、またそれを楽しんでいるようでもある。
と言いながら、まなちゃんもナチュラルな写真で見せる「ふっとした時に見せる顔は安心感がある
ね」と言っている。

撮影会などで見るまなちゃんと、美味しそうに好きなものを食べてる時ではまったく違う顔してる
し別人のようだが、『素顔のままで』を撮り出してからは、カメラの前でもそんな顔でいてくれる
ようになってきた。
そうなれば、私としても肩の力が抜けるし、気軽にカメラを向けることができだした。
普通、プロのモデルを招いて撮影会などを行う場合、休憩時間にはカメラを向けないのがルールで
ある。しかし、休憩時間にとてもい顔をしてくれる場合が多く、この調子でいってくれないかと思
うことが多い。
方や、まなちゃんとの撮影では二人なので、私の向けるカメラだけを相手にすればいいし、私が撮
影ポイントを探してる時などは、まなちゃんはゆっくり気を抜いていられる、移動の時も散歩気分
で楽な気分でいれるのだ。
四方八方からカメラを向けられるのは、気が休まらないことだろうし、何倍も気を使うはずだ。
マンツーマンであれば逆にテンションを上げた時も独占できるわけだ。まなちゃんだって、ターゲ
ットが決まっている方が集中しやすいはずで、不特定多数が相手では、力の入った表情も作りにく
いと思う。
どちらにしても、マンツーマンの場合のメリットばかりが浮き上がってくる。

話は戻って、奥さんが相手の場合は緊張感があるわけないが、それがどう転ぶかであろう。
信頼関係は誰にも負けることはないだろうから、どんな表情でも引き出すことはできるはずなのだ
が、この際奥さんの希望通りに変身させてあげればどうだう。
そんな時の合間に見せる力の抜けた表情を逃さないようにすればいいのではないか。
ただ、撮られ慣れていなければ絶対にテレ臭いものだ、特に夫婦であれば日頃、猫を被っているわ
けでもなく、ありのままを出してしるだろうから、急にまなちゃんのような表情を作ることは難し
いであろう。
当然である、そう簡単にまなちゃんレベルになれるはずがないのだ。
結局は、いっぱい撮るしか方法はないので、文句を言われながらも撮り続ければ、きっといい顔が
撮れるようになるはずである。
しかし、それは撮り手のレベルアップが伴うことが条件でもある。そしていつでも自然にさっと構
えてすぐに撮れるくらいになってもらいたいのだ。撮るぞ撮るぞと迫られたり、撮り手が熱くなっ
てしまうのが、素人モデルでは一番避けなければならないことなのだ。後はいい表情が網にかかる
のを待つだけである。もちろん狙いすましておかなければいけないのは言うまでもない。

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