EOS−3の第一印象


EOS−3を買ってきて一週間ほどになるが、手に入れたという実感はやはりRSを手にした時の
方が断然ある。持った瞬間の触感が違うのであるが、EOS−3はどうひいき目に見ても安物の感
は否めない。同じプラスチック素材であるが、プラスチッキーなのである。正面から向かって右側
に滑り止め加工がされていなく、EOS3と書かれた文字の配置もEOS5と同じでダサい。
これらは、1Nユーザーの優越感をくすぐるためにわざとドン臭くしたのではないかと思える。
私の使い込んでカブトムシのように黒光りしたRSと並べると、金色に輝くRSバッジだけではな
い格の違いを感じる。
以前私がEOS5を売って、性能的に飛びぬけた存在でなくなってきたEOS−1を買った時は、
やっぱり換えて良かったと感じたものだった。それ以後EOS−1系しか使う気がしなかったのだ
が、今回のEOS−3は私にとって実に絶妙なポジショニングであった。
安っぽいと、散々けなしてしまったが今までキヤノンのナンバー2であったEOS5とは比べ物に
ならない程高級感がある。今までそのギャップが激しすぎただけであり、その間を埋めるためと考
えれば、目くじら立ててこき下ろすことでもない。ただ、ニコンF100が金属ボディーで出ただ
けに・・・

この一週間何をしていたか・・・それはキャリブレーションしては視線入力の使い心地を試してい
たと言うことになる。キャリブレーションを何度も行い学習させるといいらしいが、20回分まで
しか記憶できないのであるから、それは頭に入れておく必要がある。しかし、21回目のキャリブ
レーションをした時点で、単純に1回目の情報を捨ててしまうのだろうか?それとも、有効な情報
については蓄積されるのであろうか?そのへんが重要なのだが“EOS-3 TECHNICAL OVERVIEW”には
書かれていない。
いろいろ試した結果、撮影環境が変わって、少しでも思った通りに測距点が選ばれなければ、そこ
で一度キャリブレーションすることである。それだけでバッチリとヒットするようになる。
キャリブレーションを重ねたからと言って、意地になって目玉を動かしても時間と労力の無駄って
ことだ。
また、どちらかと言えば横位置の方がヒット率が高いようで、EOS5では縦位置での視線入力が
不可能だったのもうなずける。

また、フォーカシングスクリーンを標準のものから、方眼マットに換えたのだが、それによって、
45点の測距点を示していた楕円形の線が無くなって、代わりに方眼になったのだが、何ら不都合
を感じることはない。方眼の線と二重のサークルの外枠が目安となって充分に測距点のある範囲を
把握できるのである。
私としては、明るいだけのスクリーンの必要性がどこにあるのか、よく理解しかねるわけで、その
理由にも矛盾を感じている。
それは、AFに頼るのであれば明るかろうと暗かろうとそれほど大した問題ではないと思うし、明
るい方がMF時に被写体が良く見えるという単純な理由も説得力に欠ける。それは明るさを確保す
るために失ったものがあるからである。それはボケの再現性である。大口径レンズの開放付近の大
きなボケをファインダー上で確認できないと言うことで、言い換えれば、ボケがボケとして確認で
ないのだから、AFの結果ピントが合ったかはずれたかの微妙なところの判断がつかないというこ
とだ。大口径レンズの開放付近でアップを撮れば被写界深度はかなり狭くなるがそのずれが分かり
にくいということになるのだ。

今回、一番好印象を持ったのが、ストロボである。550EXを同時に揃えるのをEOS−3ユー
ザーであれば是非お勧めしたい。とりあえずカメラをプログラムオートに設定して、今まで使って
いた430EZと550EXでどのような絞りとシャッター速度の組み合わせになるかを比べてみ
たのだが、今まで私が不満に思っていたことが解決されていたのである。そのテストは部屋の中で
行い、3mほど先の壁でテストしてみたのだが、どちらもシャッター速度が1/60であった。絞
りが430EZではf5.6以上を示したのに対し、550EXではガイドナンバーが大きいにも
かかわらず、f2.8ほどとなった。使用レンズはEF85mmF1.8であるが、ちょうどいい
絞りの選択ではないだろうか、この2段の差は大きいと思うのである。
当然、ストロボは2段分発光量が減るわけでギラついた感じが無くなりそうである。また、バック
が真っ暗で被写体だけが異様に明るい変な描写もなくなるのではないだろうか。こんな撮影方法は
スナップを頼まれた時などでしか使わないのであるが、私としては550EXの味付けの方が好み
である。
肝心のハイスピード・シンクロだが、これにはかなりの期待をしているのである。これからは、ま
なちゃんにどんどん動いてもらうつもりなので、このFP発光が活躍しそうである。
レフが使えないような状況でも強力な助っ人を得た気分である。
陰になった顔に対して色出しとキャッチライトの効果が欲しいのと、トップライトの時の嫌な影を
消したい場合であるが、調光補正のノウハウはこれからの課題ってことだな。これを読んでる人で
私のテスト結果が出るのを待ち望んでいる人もいたりするんだろうなぁ。
一度テストしてみる必要はありそうだが、まなちゃんおねがいね。
それと、思うに今のキヤノンのシステムとして、RSと3というのは最強ではなかろうか・・・

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