新製品に思うこと
今月もカメラ雑誌が発売されて、各紙EOS−3の特集が行われていた。
F100やα−9との対決記事も目についたが、EOS−3を買ってしまった者としては、ライバ
ル対決を見たところでどうしようもないし、今更キヤノン以外でシステムを組み直すことなど考え
ることはできないので、他の2台についてはまったく興味ナシ。
ということで、CAPA誌ではサンダーがEOS−3のレポートをしていた。被写体はお決まりの
おねーちゃんであるから私にとっては都合がいい。
それで、一番興味があるのはAFの性能であるが、サンダーがポートレートを撮るに当たってどう
感じたかは私には興味のあるところだ。
結果としては“使える”ということで、周辺域の測距点を多用するポートレートにおいてのAF精
度は合格点のようだ。私はAF精度も1N系を超えたと先日宣言したが、間違っていなかったよう
である。
それと、最初にEOS−3のスペックを見た時に45点にしては測距エリアが狭いと感じたが、ポ
ートレートに関しては、あながちそうでもないということだ。それは私もまなちゃんでのテスト撮
影で感じていたことであ。けっこう45点の測距点でまかなえてしまい、視線入力さえ上手く追従
してくれれば、合焦後、速攻でシャッターをきることが出来そうである。この速攻撮影が私のよう
に一瞬の表情を捕まえるタイプには重要なのだ。ひとつまなちゃんで捕まえたいと思っている表情
があって、それが出るタイミングまで分かっているのに捕まえきれていない表情があるのだ。それ
がEOS−3では捕らえることができるかもしれない。「それってどんな時の表情なの? 気にな
るぅ」ってまなちゃんに聞かれても教えてやんない。
話がそれたが、サンダーと違うところは、三脚を多用してしっかりとフレーミングしてじっくり撮
るサンダーと比べ、私はどちらかと言えば表情を追いかけ回して手持ちで撮ることが多いというこ
とである。
で、サンダーは任意選択AFの使用を薦めていたが、眼鏡をかけておらず動きのある私としては、
AFの精度を信じて視線入力にもう少しこだわってみようと考えている。
それから、基本的な露出傾向の比較をライバル機と行っているのも目に付くが、それについては、
EOS−3が一番適正に近いとかそうでないとかは、それほど問題ではない。私としては1Nの露
出傾向とかけ離れてしまうことが一番恐いことなのである。しかし、幸いなことに同じような味付
けがされていると考えていいようだ。
それは、今まで身体で覚えてきた露出補正のノウハウがそのまま流用できるというのが何より重要
であるからだ。
私が思うに、この冬発売された3台はプロスペックと考えられる機種であり、いきなり初心者が買
うカメラではないと思うのだ。と言うことは、すでに現在一眼レフを所有していて、もう一台追加
するパターンか、買い替えのケースがほとんどであると思っている。もちろんメーカーは固定のま
まである。だから、他社の機種との比較もいいが、現行機種との露出傾向を比較してくれるとあり
がたいのではないかと。
それが普及機であれば、露出補正など備わっていることすら知らないユーザーが多いし、ネガを使
って多分割測光のみの撮影である場合がほとんどであろう。そかし、今回の3台はそうではないと
思うのであるが、どうだろう。
では、私なりのEOSについての不満点なのだが、それはAEロックの考え方が気に入らない。
何故6秒のタイマー式にしているのだろうか?私はAEロックした後、表情を追い続けるわけで、
6秒以上ロックした露出を保持しておきたいのである。途中シャッター半押ししていれば継続され
るのだが、私はAEロックボタンを押し続ける方法をとっている。
私としては、AEロックすればもう一度AEロックするか、露出モードの切替を行うまで露出値を
キープして欲しいと思うのだ。私のRSは縦位置でのAEロックボタンが、押し続けられているた
めガタガタになっており、脇に書かれた“*”印は擦り切れてほとんど確認出来なくなっている。
常に親指に力が入っているので、どうも不自然な構えになってしまうが、それもいつのまにか慣れ
てしまった。私としては是非カスタムファンクションでAEロックの維持ができるようにして欲し
かった。
例えば、モデルの側まで寄って頬のシャドウ部分ででAEロックし、フレーミングし直す場合など
は、痛切に感じることなのだ。
それから、OES−3になって一番手間取ったのは、フィルムの装填である。1N系ばかり使って
いた私としては、暗闇でもフィルムチェンジが一瞬で出来るようになっていた。フィルムをスプー
ルの辺りまで伸ばして、スプールのスプロケットに引っかけて少し回せば完了であった。その作業
を指が覚えていたのだが、まなちゃんでのテスト撮影の時にEOS−3にフィルムを入れようとし
て、スプロケットがある位置に無いのだから、親指が空回りしてしまった。
よく見ると、1Nとの差はこんな所にもあったのである。なんともまぁ頼りない造りだこと。
ちなみに、EOS−3では赤外センサーでフィルム送りを検出しているので赤外フィルムでの撮影
はできない。しかし、それはEOS−3だけが悪いのではなく、1Nが偉いのである。
それと、背面の素材がゴムではなく、プラスティックをデコボコにさせただけなので滑りやすいの
だ。あと3000円高くてもいいから、その辺の素材だけでも考えて欲しかった。
ぼろいクルマでもイタリア製の革のステアリングに換えただけで、俄然やる気が出てくるのと同じ
こと。