とんでもないサブ機に戸惑う
私がEOS−3にまだフィルム1本しか通していないのである。まなちゃんをモデルにテスト撮影
した一度っきりである。しかし、この一度のテスト撮影でほぼ状態は分かったので、特に焦ってい
ないのである。
まだしばらくは撮影予定は無いが、今まででかなりいじくりまわしていて、視線入力してはシャッ
ターを切るという作業を繰り返しており、大体の傾向は掴んできた。
2月上旬まで、まなちゃんは大変な時期に突入していて撮影どころではないのだ。
去年の12/29に京都に何しに行ったか・・・『素顔のままで』の写真を見てもらえれば想像が
つくであろう。
ということで、とりあえずは一安心できている状態にはあるのだが、これから難関が続くのである。
私は、空シャッターを切りながら、ただ健闘を祈るだけという状態だが、共同作品のパートナーが
頑張っていると思うと、私もなかなか落ち着いてはいられないのだ。
さてと、EOS−3の使用感の報告でもしようか。
といっても実写テストが進んでいないので視線入力についてである。先週の土曜日に恥ずかしなが
ら初めて昼間、EOS−3を触る機会を得た。何故かいろいろ忙しかったのである。
過去に多くの風景写真を撮ってきた近くの広い公園に行って来たのだが、期待していた梅の花はま
だつぼみの状態であった。フィルムを入れずにその公園で昼間のパターンでキャリブレーションを
開始したのである。キャリブレーションb“1”にセットしたわけで、今まで夜の部屋の中では
“2”にしていたのである。(予め、“1”を空けていたことがエライじゃないか)
私は利き目が左目で視力は左が0.5、右が0.7という弱い近視である。また、乱視なのだが、
それが右目なので左目でファインダーを覗く私としては都合がいい。
しかし、裸眼のままで撮影するほど良くは見えない。当然ファインダー内の情報もはっきりと見え
ない状態では、いくらAFが完璧であっても満足な撮影はできっこない。
それで購入時に視度補正レンズを組み込んで、その具合がすこぶるよかったので購入に踏み切った
のである。
順光、逆光、木陰と移動しながらキャリブレーションを繰り返した結果、横位置ではほぼ完璧に視
線入力が的中した。しかし、縦位置がどうもうまく行かないのである。中心より左側については、
気持ちよく誘導できるのだが、右側の反応が悪いのである。そこでカメラ角度を微妙に変えてやる
とビシバシと右側でヒットしたのだ。これは、キャリブレーション時の角度が悪いのだと、再度縦
位置のみでキャリブレーションを実行したが、やはり少しカメラの角度を変えた方が反応がいいよ
うだ。と言ってもカメラを左右に振るわけではなく、顔をかすかに動かすだけである。
これについては、その角度の付け方を身体で覚えてしまったので、神経質に固定させるより使い勝
手がいいと判断した。
また、薄暗い部屋の中に比べ、屋外での的中率がグンとアップしたのは言うまでもないことである。
次に、三脚にセットして視線入力してみたが、カメラ雑誌でよく見た三脚用のキャリブレーション
の必要性は、私にはまったく無かったのである。だから、それ用に空けていたbRのキャリブレー
ション情報は、今後のための予備として確保できたのである。
これらの作業を持って行った8本の常用レンズをとっかえ、ひっかえしながらテストしたわけで、
特に問題となるレンズもなく、気分よく視線入力が実用に耐えられることを実感した。
日頃、ポートレートでは持ち歩かない、EF100mmF2.8マクロで、近くに咲いていた椿の
花を視線入力で狙ってみたが、これがまた最高の組み合わせである事に気付いたのである。
特にマクロ撮影となると、浅い被写界深度のため、ピント位置で写真の雰囲気が大きく変わるのだ
が、視線入力が面白いように決まるので、MFで使っていたこのレンズもAFが実用となりそうで
ある。
今まで、花の周辺をホバリングする蜂にMFでピントを合わすのに苦労していたが、いとも簡単に
キャッチできるようになるであろう。
AFのテストに満足した私が、最後にバックの底から取り出したのが、新しく加わったレンズであ
るTS−E45mmF2.8だ。
購入後即変更した、方眼マットスクリーンによるMFのテストでもあり、これは併用するRSと、
どちらのボディーで使う方がMFが楽かという決断を下すことにもなる。
あらゆる被写体にMFでピント合わせを2台のボディーで行った結果、方眼マットに換えたEOS
−3の方がピントの山が掴みやすいという結論に達した。
RSボディーでは、ピントが合った状態から、ずらして行ってもボケが確認できるまでの状態が長
いのである。一方EOS−3では外れたことが直ぐに確認できてしまうから、微調整に時間を取ら
れることがないのである。ということで、TS−E45mmF2.8は今後EOS−3と合体する
ことが決定したのだ。
カスタム・ファンクションの0番でフォーカシングスクリーンの変更に積極的に対応しているキヤ
ノンの思惑が少し見えたように思えた瞬間であった。
こうやって、まなちゃんとの撮影までの期間でじっくりEOS−3のテストができているので、実
写になっても戸惑うことは無くなるはずである。
1Nとほぼ同じ操作系ではあるが、まったくの別物と考えた方がいいであろう。
恐ろしいサブ機が登場したものだ。