イメージ優先撮影


私は、常々ここで語っている通り、浮かんだイメージを再現することを考えてカメラを操作し、撮
影していると言える。
そのイメージというのは、私が潜在的に持っているもの、シチュエーションを決めた段階で浮かん
でくるもの、またその逆で、モデルとなる女の子から感じるものからシチュエーションを考えロケ
地が決まる場合。それらがあって、撮影の段階で感じたファクターを加えていくのである。
風景写真などは、初めての場所であれば、その被写体を見てイメージを創りあげていくことになる。
ポートレートになると、撮影会のように初めて出会うモデルを撮る場合は、それに近いが、沙紀ち
ゃんのように何度も撮ったことがあると、撮りたいイメージは半分出来あがっているようなものだ。

まなちゃんの場合は特別で、すべての要素が結集しており、さらに新しいアプローチを見つけさせ
てくれる。それは私のイメージにオーバーラップして、感性豊かなまなちゃんのエッセンスが加わ
り、それによってまた私がイメージを広げていくという作業となる。実際に、撮っていると限りな
く終わりが来ないのではないかと思うことがある。

では、私のイメージ優先撮影とはどう言うものか。それは今まで何枚かアップしてきた風景写真で
多少は分かって頂けたかもしれないが、分かりやすく説明するためにひとつのサンプルをもとに、
説明してみよう。

今日アップした写真は、大阪南港にあるWTC(コスモタワー)である。このビルを最初に見たの
はもう5年ほど前のことになる。神戸の六甲アイランドから湾岸線を走り、南港が近づいてくると
青と赤にライトアップされたコスモタワーが視界に飛び込んでくる。これを見たときゃぶったまげ
たねぇ。今まで日本にはなかったセンスに感心させられたのだ。
それと同時に脳裏をよぎったのは、ガキの頃出始めのカラーTVで見たウルトラマンのワンシーン
なのだ。(生まれた時からカラーTVがあったまなちゃんとは、ここが違うとこだね)
あの初期の特撮だが、子供の目にはすごく新鮮であった。暴れまわる怪獣を迎え撃つウルトラ警備
隊の、名前なんて言ったっけか、あの戦闘機が飛び出して行く姿。そのシーンではスモークが焚か
れていたような・・・
そんなイメージが第一印象だったのである。しかし、そんなに上手くイメージ通りに撮れるわけは
ないのだが、ある日チャンスが到来したのである。まさにそんなイメージにぴったりの日が・・・

その日は、昼間大雨が降っており夕方から雨も上がったのだが、異常に変な気象状態になっていた。
雨雲が薄く霧のようになって、低く低く垂れ込めていたのだ。今なら絶対にコスモタワーのてっぺ
んは霧の中のはずだ! そう思ったら、色々考えている暇などない、ちょうど神戸にいた私は湾岸
線を飛ばして南港に向かったのだが、都合の良いことに西から東に移動する気象状態を引きつれて
南港に到着した。
イメージは完成しているのだから、大急ぎで三脚にカメラをセットして迷いも無く撮影を開始した
のだ。こんな悪天候の中で撮影しているのは、当然ながら私一人であったが、みんなイメージが貧
困なんだねーって感じだった。

次回のまなちゃんの撮影は京都で振袖姿ってことだが、撮影地はさっき決定した。京都でも嵯峨野
方面での撮影ということであり、ある程度イメージは出来つつあるが、レフとストロボを上手く使
うパターンのイメージ創りが今後の課題であるが、EOS−3にスピードライトトランスミッター
を取り付けて、ストロボを遠隔操作することを考えている。
レフとストロボの多灯ライティングも面白いし、薄暗いバックにしてスポット的にまなちゃんを照
らしても面白いかもしれないな。
あと1週間、じっくり考えてみることにしよう。これもまた楽しい作業であるが、当日どう発展す
るのかも楽しみである。なんたって相手はまなちゃんだから・・・・

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