『素顔のままで』第９弾−３


昨夜、芸大で撮影した第９弾の前半分をアップした。元々一度にまとめてアップする予定であった
が、枚数が多いし雰囲気がまったく違うので分けることにしたのだ。まなちゃんもその方がいいっ
て言っていたことだし。
前回のナチュラル＆ブラックの時のようなものである。あそこまでの変化はないが、違うイメージ
であることには間違いない。
前半は、私が芸大をロケハンした時に浮かんだイメージをそのまま実現した形になる。そのイメー
ジは事前にまなちゃんに伝えていたので、白を基調にした衣装である。
ごちゃごちゃしたバックや色をフレーム内に入れずに、またロケーションと同系色の色の服を着て
トーンを統一し、できるだけまなちゃんの表情に視線を誘導するようにしたつもりである。

今回のようなロケーションの場合で周りの様子を取り込まず、イメージ優先的な撮り方の場合は、
表情も難しく、全体の雰囲気を壊さないようにしなければいけないのだ。
ふんわりと白いシチュエーションで睨み付けるような目をしてもアンバランスになるだけであって
意味はない。私は、バックを上手く取り入れてフレーミングするのは苦手である。しかし、ロケー
ションにはこだわってロケハンをしたりするが、それはそのロケーションの雰囲気が必要であるか
らなのだ。それが写真に写っていなくてもよく、まなちゃんがその雰囲気を受け止めてくれるだけ
で充分であるとも言える。

例えば、砂浜のシーンをアップで撮る場合に、公園の広い砂場でもいいのかもしれないが、実際に
海に出かけるのとでは違って当然である。汚い須磨海岸での撮影だったが、沖縄の海だったら何か
が違っていたかもしれない。更に海外に出かけてもハワイとエーゲ海では絶対に違うはずだ。
それは、撮る方も撮られる方も、気分や浮かぶイメージが変わって当然である。
だから『素顔のままで』が続いているのは、まなちゃんと私の感性に近いものがあるからかもしれ
ない。基本的にまなちゃんは私の設定に合わせてくれるが、その辺での食い違いはそれほど感じた
ことがない。

話は芸大での撮影に戻るが、次回アップする予定のＰａｒｔ２はダイジェスト版で紹介したように
黒い革のパンツ姿となり、前半とはガラッとイメージが変わる。
このハード系のスタイルは、元々予定していなかったし、まなちゃんが革のパンツを持っているこ
とを知らなかったのだが、撮影の少し前に電話での雑談の中で黒い革パンツのことが出て、それも
着てみようってことになったのだ。

３種類の衣装ではあるが、パターン的には２つに分かれるわけで、Ｐａｒｔ１でアップしたスカー
ト系と、革パンツでは雰囲気が大きく変わる。着替える順序も革パンツは最後と決めていたのであ
る。ちょうど前半の撮影が終わったのが３時であり、着替えて直ぐにパイプオルガンのある部屋で
撮影となったが、この部屋にはスリット状の天窓があってそこから光が降り注ぐのだが、暗い部屋
と光のコントラストがポイントである。前半の白いイメージとは大きく変わるのだが、ここがまな
ちゃんの凄いところで、カメラを向けると私が指示するまでもなく、表情もポーズも変えてきた。

また、その頃には陽が傾き、全体の色温度が下降してきてオレンジがかったトーンになっていた。
これも狙い通りで、ガラス張りの建物の中に斜光線が入り込み、前半の柔らかな光から硬めの光と
なった。しかし、色温度が下がっているのでガチガチの光ではないのだ。更に床に当った反射光が
大きなレフにもなっていた。

同じ斜光線であっても、去年の暮れに京都に合格祈願に行った時に撮ったものとは違って、まなち
ゃんの表情も力が入っていたので、シャープな感じを受けた。それはその時のファッションによる
気分もあるだろうし、私の撮りたいものをまなちゃんがしっかりと分かってくれているからだ。
私はその斜光線を金レフで受けて、赤味を増幅させた光でエッジを強調させてみたりもした。

こんな風に、まなちゃんは撮られることを楽しんでいるし、出来上がった写真を見ることが楽しみ
のようだ。先週末は雨だったので撮影は中止してブラブラと神戸で買い物などをしたが、まなちゃ
んはＰＭ−７００Ｃでプリントアウトしたものをファイリングするためにクリアフォルダーとバイ
ンダーを買ったのだ。
モデルサイドに立てば、撮影会などで撮られた写真は自分の手元に残ることは少ない。しかし私と
の撮影の場合はマンツーマンであるので、自分でしっかりと一台のカメラを意識してポーズと表情
を考えてやれ、さらにその結果をじっくり見ることが出来るのは大きいようだ。それによって自分
のポーズや表情のチェックが鏡で見るのとは違って実際に写真で出来る。また、その時の光の具合
でどのような描写になるのかも、理解できるのだ。私も撮影中にまなちゃんが分かりやすいように
説明してあげることもあるが、それはまなちゃんなら説明する意味があると思っているからである。
確かに、まなちゃんはどんどんいいモデルになってきているように感じる。

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