フォクトレンダー試写報告


横浜でのACCESS撮影会で、やっと天気がよかったので新兵器であるフォクトレンダーのベッ
サ−Lとスーパーワイドハリアー15mmF4.5の初撮影が出来た。
使ったのはプロビア100であり、絞りはf8〜f11の間である。

目測でのピント合わせだが、これだけの超広角で絞り込んでの撮影であるから、それほど気にする
必要はない。適当に合わせればいいのだが、大事なのは小さなカメラなので一眼レフと交代で撮る
場合、ホールディングの感覚やビューファインダーの見え具合の違いで、油断してブレが出ないよ
うにしたいものだ。また、超広角レンズの端に自分の指とかが写らないようにする注意も必要だ。
私も2カットに自分の太く醜い指が写り込んでいた。

17日の横浜は晴れであったが、うっすらと雲が広がって快晴時の青空とは言えなかったが、光線
自体は軽くディフューズされて、はるなちゃんの顔も強いコントラストがつくこともなく良好であ
った。
ただ、空がスカッと青くない場合、バックに空を抜くと白く飛んでしまって、余りいいものではな
いし、スーパーワイドハリアー15mmのようなレンズでは、空の色が写真の決め手になるのだ。
今回はテストを兼ねているとは言え、せっかくはるなちゃんがモデルをしてくれているので、しっ
かり撮ってやりたいと言う気持ちもあった。問題は露出と逆光時のレンズ性能である。

露出については、ピッタリであり中央重点平均測光であれだけの画角であるから、ミスが何枚かあ
ってもおかしくないのだが、全カットほぼ及第点であった。
測光は、地面であったり空であったりと私の経験を基に決定して、露出の目安であるLEDの光り
具合で決めたが、軌道修正する事無くこれからの撮影で応用が利きそうである。

次に逆光での影響がどれほど出るかだが、今回はこのテストはかなり出来た。と言うのも、そもそ
もポートレートと言えば、逆光とレフの組み合わせが多いので、他のカメラマンが撮っている時に
その隙をついて、グーッと寄ってパチリという感じで撮る事が多かったのだ。
と言う事は、15mmという超広角であれば、フレーム内に太陽が直接入ることもあるのだ。
抜けのいいスグレモノであるビューファインダーでもゴーストがはっきりと確認できたので、仕上
がりはさぞかし、フレアーとゴーストのオンパレードであろうと予想していた。
しかし、予想に反してほとんど影響を受けておらず、なかなかいいレンズであることが証明された。

次に逆光を外して撮ると、周辺光量不足がいい味を出してくれて白っぽかった空が青く写っている
のだ。
これは私の予想通りで、嫌われるはずの周辺光量の低下を上手く利用すればなかなかいい仕事をし
てくれるはずである。

それよりも気をつけたいのは、ギリギリまで近づいて撮った場合でも全身をフレーム内に収めるこ
とが出来るが、その時に周辺部分に注意を払う必要があるのだ。
このレンズはかなり補正されているが、最周辺部分ではかなりビヨーンと像が伸びるのである。
そこに手があったりすると、妖怪人間のような指に写ってしまうのだが、これは添付した画像を見
てもらえれば一目瞭然である。
どうもこのレンズの攻略方法はフレーミングにあるようだ。まぁ当然といえば当然のことだが。

今回はプロビア一本だけの撮影であったが、私としてはこのフォクトレンダーのベッサ−Lとスー
パーワイドハリアー15mmF4.5のテストとしては、かなり掴む事ができた。
EOSと併用する場合、何度かフィルムの巻き上げを忘れるケースがあったが、それほど問題では
ないな。それより、巻き上げレバーが身体に当ってボディー側に治まってしまうと、シャッターが
降りない構造になっており、1cmほど引き出す必要があるが、これは実写の前から気になってい
たことであるが、思った通りスムーズな撮影には障害となった。
この、シャッターボタンのストッパーについては、いたってシンプルな構造なので、改良してしま
うことも考えている。

このフォクトレンダーは、まなちゃんと計画しているこれからの撮影では、かなり活躍してもらわ
なければならないので、今後もちょくちょく使っていく予定である。

<−戻る