ナチュラルにナチュラルさを


もうすぐ、まなちゃんと知り合って一年になる。
それは、Joe's Galleryがオープンしてから3ヶ月後のことであったが、その出会いが
HPの方向性を大きく変えることになるとは、その頃は思ってもみなかった。

この撮影雑記にしても、技術論やカメラの話題はそれほど書かなくなった。結局、そんなことは雑
誌や解説書に書いてあることである。しかし、今後も雑誌に書いてない(書けない?)ようなこと
はビシバシ指摘させてもらうつもりである。
しかし、まなちゃんを撮り出した頃から、撮影雑記の本筋はポートレートの撮影でも、対モデルに
ついて書くことが多くなった。

実際には個人撮影のできるモデルに恵まれたカメラマンは決して多くはない。また、個人撮影と言
っても、広く多くのモデルを撮る場合と、私のようにまなちゃん一人を集中して撮るパターンに分
けられるであろう。

私は、まなちゃんがパートナーであればいろいろな撮影に挑める可能性を感じたのだ。但し、それ
は色々な新しいテクニックを試す場としてでは決してない。
50mmや85mmレンズ一本であっても構わないのである。そんなことを試すのであれば、撮影
会で充分であって、マンツーマンでやる意味はあまりない。
この撮影雑記を読んでくれている方達には、私の言いたいことは充分に伝わっているはずで、それ
が伝わる人だけが、リピーターになってくれればいいとさえ思っている。
誤解して欲しくないが、撮影会でしか撮れない多くの人を無視しようとしているのではなく、これ
から個人撮影のチャンスが訪れた時に、少しでも役に立ててもらえればいいのだ。

それで、いつの間にか、多くの支持者も集まってくれるようになった。横浜の磯村氏などは個人撮
影において意気投合する部分も多く、いまだに長文メールの行き来が続いている。
磯村氏も私もモデルに恵まれているが、撮った写真が気に入ってもらえたことが、ベースとしてあ
って、次、また次と撮影の機会が得られるわけである。

だから、いい加減な撮影なんて出来ないわけで、いくら気心が知れたまなちゃんであっても、馴れ
合いになっているのではない。
撮影会に参加して撮る方がどれだけ気楽か・・・
しかし、こう書くと勘違いされそうなので言い換えれば、ただ参加するだけの撮影会では物足らな
いと言えるのだ。まなちゃんと言うとびきりのモデルを得て、自分達で構成した撮影が楽しくて仕
方ないのだ。

そりゃ、彼女とは撮影だけではなく、いろんな話しをしたり、食事したりといった時間も多い。
まなちゃんのVAIOの設定だって私がやってあげることが多いし、撮影している時間と同じぐら
い、そんなことをしている。
仲良くなればそれは当然のことである。まなちゃんはノーギャラだし、私だって撮った写真を売っ
て儲けているわけではないので、仲良くなれなければ続けてられないわけだ。
『素顔のままで』で撮影した写真が宣材となって目にとまり、大きな仕事が舞い込むこともあるよ
うだが、いいじゃないか、撮った私としても嬉しいことだし。

そんな私たちの関係を、羨ましく思えたり、嫉妬されたりする気持ちは分からないでもない。
最近のBBSにも、そのようなことが書かれていたが、もっともな意見だと思うのである。
ナチャラルなパターンの場合、作ったナチュラル風ではなく、ナチュラルなナチュラルさが出てき
だしたのか、伝わるものも徐々に違ってきているようである。

私たちとしては、特に意識しているわけではないのだが、自然とお互いに肩の力が抜けてきたよう
ではある。それはまなちゃんの表情にも現れており、撮っている私にも分かった。
今回、彼女の新しい部屋で撮ったカットも、TVを見ている時に窓際のソファーの上だけで、少し
だけ撮ったものだが、窓からの自然光をメインにし、小さな丸レフを軽く当てて、しっかりと光り
の回り方は計算している。
そして、まなちゃんも撮られることを意識して、しっかりモデルしており、状況的にはスナップ的
な要素はほとんど無いと言える。

しかし、まなちゃんはよくこれだけリラックスできるものだと、感心してしまうほどで、表情に張
り詰めた所が一切ないのだ。撮り手としてこれほどの快感は無いわけで・・・・
次はどんなポーズをして表情はどうしようかなぁ?なーんてことなど考えている様子もないし、表
情を作るための力みなどは微塵も感じられなかった。
それは今までのまなちゃんでもそうだったのだが、より一層それを感じさせてくれたのである。
その間、私もほとんど声を掛けたりはしていない。ただ静かに時が流れているだけで、シャッター
音だけが響いている感じだ。その状態で、DYNA 100 Hi-Color1本を撮り終えた。
その後夕方の河原から駅にかけての撮影でも、朝の撮影の延長でいい雰囲気で撮影が進んだ。

これだけ数多く、まなちゃんと二人で撮影を続けているが、そんな例は他ではそれほど見ないわけ
で、BBSに書かれているようなことを思われるのは、私たちとしては不思議でも何でもないこと
であり、息が合って当然のことなのである。

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