『素顔のままで』第11弾


予定通り、5/29,30と神鍋高原のペンションMoonSideに行ってきた。
心配していた天気にも恵まれ、いい撮影ができた。
MoonSideに着いてまなちゃんが最初にしたことは、庭にいたカエルを捕まえたことであり、
上品でデリケートぶったモデルと、ここが大きくちがうところ。
到着したのがお昼頃で、近くの有名なおそば屋さんに食事に行った後、ペンションの食堂での撮影。
ガラス張りなので、直射日光が入らなくても充分に明るい。撮り出してすぐに、まなちゃんが編集
したオリジナルのカセットテープを持って来ていた事を思いだしてさっそく用意してもらっていた
ラジカセで曲を流したが、やっぱり違うんだよねぇ、ノリが。

続いての撮影は、今回の目玉のひとつでもあるクルマを使った撮影だ。BRSクンの乗ってきたビ
ートを借りて、いざ出発。「半クラッチいやぁー」と言いながら、まなちゃんはしっかり運転して
くれた。
このカットはフォクトレンダーのベッサ−Lとスーパーワイドハリアー15mmF4.5を使った
ので、狭いビートの車内でも充分に撮れる。でも手を伸ばすまでもなく隣りのまなちゃんに触れら
れるような、狭い車内も悪くないなぁ・・・テヘッ。

その後、MoonSideの番犬?であるディックとのツーショットである。
良く考えてみると、『素顔のままで』で初めての共演者の登場ってことになるが、撮影前に私が彼
のご機嫌を伺いに行ったところ、ご機嫌過ぎて、飛ぶわ跳ねるわの大騒ぎであった。でっかいハス
キーなので、どれほどの力なのかまともに受けてみたが、このままではまなちゃんは押し倒されて
しまうと判断して、中止しようとしたのだが、散歩させれば落ち着くということだったので、10
分ほど、マウンテンバイクに乗ってオーナーが走り回ってくれた。
走り疲れたディックはハアハアと舌を出していたが、フィルム3本目ぐらいからは、まなちゃんの
共演者として、いい仕事をしてくれた。顔中をなめ回されても、ひるまないまなちゃんはやっぱり
エライ!

そのすぐ後は傾きかけた日を浴びて、近くの畑のあたりでの撮影であったが、まなちゃんは道端に
サンダルを脱ぎ捨てて進んでいく。その後ろ姿を見ていたレフ係のBRSクンは「こんな姿も僕は
好きですねぇ」って言っていたが、私はカメラを構えるのも忘れて、この頼もしい相棒の姿に見と
れていたのだった。
一通り撮り終わって、まなちゃんの服についた草を払おうとしたら、のど元に虫がとまっていたの
で、それをつかんで引き離した途端、血が吹き出したのだ。どうも肉食の昆虫に噛み付かれていた
ようだ。しかし、私たちの心配をよそに、まなちゃんは何事もなかったようにケロッとしているの
だった。

その撮影の後の夕食までの間、まなちゃんは学校の宿題であるレポートを部屋で書き出したのだ。
私はナイト撮影の準備をBRSクンとすることにした。予定では、クルマを何台か集めてライティ
ングするつもりであったが、建物が少し高い造りになっているので、思うように光が当たらないこ
とが判明し、急遽光源を道路工事などにつかう照明に変更した。これは高さと向きを自由に変えら
れるのである。3灯のうち1灯に赤い透明アクリル板をセットし、すこし艶めかしい色合いにして
みた。
それを窓越しに外から撮るという方法である。悩んだのがフィルムで、かなり赤みを帯びた照明な
ので、タングステンフィルムのRTPIIを使って補正するか、ISO400のRHPで赤みを増幅
させて、さらに粒子が荒れた感じにするか・・・ 仕上がりを見てもらえれば一目瞭然であるが、
私が選んだのは後者である。

これがラストカットとなり一日目の撮影が終了したわけであるが、食後に過去の『素顔のままで』
のポジの鑑賞会をやったりして、撮り出したのが遅かったこともあり、11時を過ぎていたのでは
ないか。それから、まなちゃんは引き続きレポートに励むことになるのだ。

実は、翌朝の7時から朝日の差し込む東向きの部屋で撮影することになっていたのだが、私は「勉
強遅くなりそうだから、明日の朝はやめとこうか?」って言ったのだ。すると、まなちゃんは、悲
しそうな顔をして「うぅーん、やる!大丈夫、起きるから」ってことなので、朝の6時にモーニン
グコールをすることとなった。ホントにいい子だ・・・

翌朝も晴天となり、6時にまなちゃんのケイタイを鳴らすと、元気良く起きてくれた。まなちゃん
を起こした私は、東向きの部屋の様子をチェックしに行ったのだが、予想通りに窓から透明感のあ
る光が射し込んでベットを照らしていた。「よし、イメージ通りでいけるな」・・・さっそく撮影
の準備にかかる。レフとミラーを持ちこみ、機材一式をスタンバイさせたのである・・・
もちろん結果は上々であり、究極の『素顔のままで』となった。

今回は、新しく導入した、EF300mmF4L IS USMをかなりの頻度で使ったが、アップ
を撮る時はいいのだが、フルショットの時にまなちゃんとの息が合うかが少し心配であった。
しかし、甲高いEOS−3のシャッター音は確実に遠く離れたまなちゃんの耳に届いていたのであ
る。

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