もうちょっと踏み込んで
まなちゃんとの一年を振り返って、友達的感覚が強くなり写真にもそれが現れていたのではないか
と思えるのである。
それはそれで『素顔のままで』シリーズの特徴でもあり、モデルの素の部分を自然に捕らえられて
いるのではあるが、まなちゃんのもっと“オンナ”の部分を見直してあげたような撮影もやってみ
るべきだと思うのだ。
実際、撮影中に私は恋人に向けるような視線をレンズを通り越して感じるのだが、それをそのまま
撮っていたのが現状である。そこをもっと突っ込んでなんとかしてやりたいと、最近思うようにな
ってきた。せっかくまなちゃんがイメージを膨らませているのだから・・・
モデルであるまなちゃんが思いのほか近い存在となったが、それが逆にその辺をちゃんと見つめて
あげられていなかった原因ではないかと気が付いたのだ。
一年前に、まなちゃんが持っていたスナップを見て、こんな表情の彼女を撮りたいという思いを強
く持ってしまい、それをテーマに掲げた撮影をやってきて、いつのまにかそれが染み付いてしまっ
たのかも知れない。
それはそれで、他のカメラマンが羨むような表情が撮れてはいるが、もっと違う方向性も考えてあ
げるべきではなかったか?
それが出来る一番最短距離にいるカメラマンは私以外にいないのであるから、そんな関係を一緒に
作ってくれた彼女のためにも、更に色気の香るような写真も残してやりたいのだ。
私の前では、色気より食い気って感じのまなちゃんで、そこが可愛かったりするのだが、これから
の撮影で頭の片隅に少しでもLadyとして見れあげる気持ちを持ってあげたいものだ。
ただそれだけのことなのだと思うのである。だからと言って、今までがそうでなかったわけでは決
してないが、先月誕生日を迎えたまなちゃんを、いつまでも子供扱いしているわけにはいかないの
である。
ということで、明日はまなちゃんが広島から遊びにやってくるので、久しぶりに大阪で買い物でも
付き合うことにしよう。バーゲンは終わってしまったが、最近は一年中バーゲンみたいなものであ
る。彼女が広島に引越す直前にオープンした、南港のアウトレットにでも行ってみようと思うが、
出来れば一時間でも撮影出来ればいいのだが。
関西では、まなちゃんと撮影しようと計画していた場所がいっぱいあったのだが、広島に行くこと
になって、お預けとなっていたロケーションのひとつが南港周辺である。
まぁ、今回は撮影が本来の目的ではないから、買い物に夢中になって時間が取れない可能性が高い。
女の子ってやつは、迷い出すと時間のたつのを忘れてしまうようなので、スナップだけで終わるよ
うな予感がする。
それに、台風の動きがどうも怪しいが、風が強かったりするとマンツーマン撮影としては、辛い部
分がある。ロールレフをGITZOの重い三脚に固定するのだが、吹き飛ばされてしまうことが考
えられるのだ。ただでさえ、ロールレフは自重で徐々に角度が下がってきてしまうのだ。
先月広島で撮影した時は、午後からまなちゃんの友達を撮影したのだが、その時はちょっとまなち
ゃんにレフ係りをやってもらったのである。なかなか上手く当てられなくて苦戦していたようだが、
そのお陰で、いい光で撮れたのである。でも、レフ係は直射日光にさらされるわけで、モデルのよ
うに日陰にいれないということで、日焼けしては大変と慌てていつものように三脚での固定に戻し
たわけだ。まなちゃんは、「レフ係りってたいへんだねー」って言っていた。