畳ケ浦での水着撮影後編


水着撮影の後編の撮影地となった島根県北西部の畳ケ浦であるが、まず最初に訪れた人を驚かす。
幅2mほどの細長いトンネルを抜けると、そこが洞窟となっており、左側が大きく開いていて、海
が見える。そこからが逆光になっていて、いい雰囲気なのだが海が荒れていて撮影は断念。
そこからまた新たなトンネルをくぐると、広大な平たい岩の海岸が広がる。
それが、ちょうど潮の満ち引きで海の中に沈んだり、広い陸地になったりするわけだ。

ちょうど満ち潮の時に着いたのだが、遠浅の状態が続いていることになる。
そこには小さな浜辺もあって、細かい砂の浜と芝生のような草むらがあって背後は大きな岩山とな
っている。

私たちは、その砂浜にパラソルを立てたのだが、そこから水際まではすぐで、ある程度水深のある
ところまではかなり距離がある。私は胸のポケットに常にフィルムを2本入れ、撮り終わったら、
必ずフィルムケースに入れるようにしたが、その2本が終わると、再び浜に上がってフィルム交換
をすることになるし、当然レンズ交換も同じである。何回往復したのか数え切れないのだが、その
距離よりも、水没した平らな岩が非常に滑りやすく、何度転倒しそうになったか分らない。
カメラを持っていなければ何てこと無いのだが、カメラを持ったまま転倒することだけは避けなけ
ればならない。そこをまなちゃんはすいすい歩いて行く。

腰より深く海に入ったり、浅瀬に寝転がったりするのことになるからウエストバックはつけれない
ので、私は胸にポケットのついた服を脱ぐことが出来なかったのだが、海女が獲物を入れるために
浮かせている、たらいのようなものがあれば非常に便利だと思った。小さなゴムボートでもあれば、
そこにレンズやフィルム、そしてサブボディーを入れておけたので、非常に便利であると思った。
次回、海での撮影の時は、是非準備することにしよう。
私は、バスフィッシング用の大きなボートは持っているのだが、機材を沖まで持って行くためには
でかすぎるな・・・ それに荷物がまた増える・・・

こうやって、モデルと目線を合わせることは大事で、カメラが濡れるとか言っていたらダメダメ!
海水の滴る手でカメラを操作するぐらい、覚悟を決める必要がある。
一緒になって、冷たい水に入ることで、すこしでも一体感を感じないとだめだし、まなちゃんを水
の中で寝転がしたら自分も水面ぎりぎりにカメラを構えて寝転ばないと、写真に力は出てこない。

また、今回は露出についても前編と変えているのは言うまでも無いことで、何から何まで明るめに
撮るのがポートレートだと思ってはいない。その露出のコントロールには数学の答えのように、決
まりきった公式など無く、自分の頭の中に浮かんだイメージを再現するための補正値をカメラに与
えるだけである。結局は感性の守備範囲だということだ。
カメラの多分割測光とネガカラーの同時プリントで撮っている人は、私の言っている意味が分らな
いかも知れないが、こんなことも考えて撮れってこと。

この雨と潮風をあびた撮影の連続からか、レンズが一本音をあげて、AFが利かなくなってしまっ
た。それはEF50mmF1.4であり、雨宿りしている時にパラソルの下で撮っていて突然不調
となってしまった。しかし、防湿庫に入れて乾燥させたら、嘘のように直ってしまっている。

この後半の撮影にあたって、水着だけじゃなくてそれにあわせる服を用意したが、これはその衣装
を提供してくれた方が、まなちゃんならきっといい感じに着こなしてくれると期待を込めてのこと
であった。
それから、私の撮影意図を理解してくれているまなちゃんは、朝メイクをする時に、「今日は濃い
メイクにする?」って聞いてきたが、もちろんその方向でいくことにした。

今回用意したのは水着が2着、白いビキニと前編でも着た紺のビキニ。それと白いシワ加工のシー
スルーの服が2着。あとは、夏休みに大阪で買ったピンクのブラウスである。
そのピンクのブラウスは、水着を白から紺に替えるタイミングでトップレスの状態で羽織って貰っ
た。その服は前回も持って行っていたが、今回にまわしたのは正解であった。
私の描くイメージそのままの表情をしたまなちゃんがカメラを構えると立っていたが、これこそが
感性というものだろう。
その時は立ち位置を大きな流木の脇に決定して、ブラウスの着こなしをチェックすることと、軽く
声をかけることをしたが、まなちゃんは完璧に演じてくれた。

一方、白いシースルーの服を合わせた時は、この透ける素材をどう活かすがポイントになる。
好かすには、二通りの方法が考えられるが、光を通す方法と濡らしてしまう方法である。この服の
提供者に濡らしてもいいと言われていたので、遠慮なくやらせてもらった。ここで中途半端になっ
てしまうといけない。
海にきたのだから、濡らして肌に吸い付くようにすることで色気も出せるし、スポーティーな感じ
になりがちな水着をドレッシーに見せてくれ、最初の構想の中にあった見えてもいい下着感覚も出
せたわけだ。それには今回のような曇天と夕方からの斜光線がマッチしており、必ずしも天気がよ
ければいい訳ではないのである。

今回の後半では、常用しているフジ系のフィルムに加えて、コダックのダイナ・ハイカラーも使っ
たのだが、フジ系のアスティアに比べ肌の色が黄色っぽくなってしまうのである。ダイジェスト版
でアップしたピンクのブラウスでのカット2枚を見比べてもらえれば一目瞭然である。どちらが好
みかは、人それぞれであるが、私はフジの発色に慣れてしまっているようだが、コダックの方が自
然なのかな? 
と言うことで、今日のオマケ画像はコダック ダイナ・ハイカラーでのカットである。

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