頼りになるカメラマンを演じろ


最近、めっきり冷え込んできて、まなちゃんの住む三次はかなり寒いらしい。大阪で暮らしていた
頃から寒さに弱かったまなちゃんは、もうヤバイって言ってる。

元々私は風景を撮っていたが、その時から一番好きな季節が晩秋から冬だったのである。それは被
写体として紅葉と冬の夜景が好きだったからだ。
夜景は別としても、自然を撮るとすれば紅葉が好きなのだ。春の桜には興味ない。パッと派手に咲
き乱れる桜よりは、ひっそりと咲く梅の方が好きだ。秋であれば、紅葉の他にはススキが好きだっ
たりするが、これはポートレートの脇役としては使いやすい。色的にも目立ちすぎず、逆光気味で
金色に輝いてもくれる。

その点、紅葉はポートレートと合体させるのは難しい。脇役にするには余りにも美しく、私自身思
わず欲張ってしまいそうになるのが予想できるのだ。
しかし、これにこの秋は挑戦してみるつもりで、紅葉が色づく頃にまなちゃんを撮ってみたいと思
っている。
去年もそのつもりで、大阪からまなちゃんの故郷まで撮りに行く予定だったのだが、紅葉の色が悪
く諦めたのである。今年はどうであろうか・・・夏が暑くて天気が良いと紅葉も期待できるのだが、
今回急に冷え込んだので、枯れてしまう恐れもある。


で、今日の本題に移るとするか。

最近個人撮影を始める、もしくは始めたという方たちからのメールがたくさん舞い込むようになっ
てきた。彼らに私が言いたいことをここでまとめて書かせてもらうことにしよう。

それは、モデルになる女の子に対して、それがプロであろうと素人であろうと堂々と、自分を売り
込めということである。
どういうことかと言えば、「初めてだから失敗するかもしれないので、最初に謝っとくね」なんて
事は、口が裂けても言ってはいけない。そんなに失敗なんてするもんじゃないだろう?
撮影技術の解説書、特に露出などに関しては、さらっと読めばいいのであって、細かく読んでしま
うから、どんどん不安になっていく。そんな記事を書く方もネタが無いからか書いている部分があ
って、それほど心配する必要は無い。

私に言わせれば、撮影会なんかよりよっぽど個人撮影の方が露出については、失敗しにくいのであ
る。スポット測光モードと+1段の補正をカメラにセットし、モデルの顔のシャドウ部分を測光し
てAEロック、そのままフレーミングしてピントを合わせてシャッターを切ればいいだけだ。
この+1段の補正で、大きな失敗はしないはず。後はその結果が出てから、自分なりの補正を考え
ればいいこと。もちろん私は+1段ではない。

また、何故個人撮影が有利なのかと言えば、何時だって、どんなレンズを付けてたって、誰に遠慮
することもなくスポット測光が確実に出来るからなのだ。他に撮影者がいないのだから、モデルの
目の前まで行って、ほっぺたで測光すればいいのだ。その時せっかく近くまで寄るのだから、必死
になって測光だけするのではなく、一声掛けてあげたいものだ。そんな余裕もないようではいかん。
ついでに、髪を直してあげるぐらいのことができれば上出来。

もうひとつメンタルな部分では、自分を初心者だと連呼したりすれば、モデルの女の子をがっかり
させて悲しませることはあっても、何ひとついいことはないのである。
なんで、わざわざ好き好んで自分で自分の価値を下げる必要があるのかと言いたいのだ。
自分から個人撮影しようとしたのだから、それなりに自信は持っていたはずなのに・・・である。

日本人は、謙虚であることを美徳とする風潮があるが、モデルを前にして急にそれを実行されても
モデルとしても気持ちのいいものではない。もちろん偉そうにして威張れと言っているわけではな
い。安心してモデルできる状況にしてあげることが一番大事で、モデルに心配されてるようでは、
いけないのである。中途半端な初心者意識は捨てることなのだ。
そういう空気が作れれば、モデルも楽になって、色々話しかけてくれたりするかもしれない。何か
話さなければいけない・・・という、撮影以外のプレッシャーもなくなって、いい方向に展開する
はずである。

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