ロケーション選び


今回、まなちゃんと彼女の育った広島の高野町で撮影したが、同じロケ地でもしっかり意味を持っ
た選び方をすることが大事であると考えさせられた撮影であった。
こういうことを考える事自体、私がスタジオ撮影を好まない理由に繋がるとも言えるのである。

モデル撮影を撮影会から経験する人が多いと思うが、この段階で勘違いをしてしまうのではないか
と思ってしまうのである。私もそうであったが、まなちゃんとの撮影を通じて、撮影場所の選択に
は一番頭を悩ませているのだ。

まなちゃんとの個人撮影をはじめた時の第1弾は、急遽撮影しようと言う事であったのも関係して、
安直に鶴見緑地を選んでいる。それは何を隠そう撮影会で何度も撮影した経験があったからで、ど
こにどんなロケーションがあるかを知っていたからという理由であった。
その時は、まなちゃんの自宅から近いということもあって、「これからも来ることがあると思うの
で、下見のつもりで・・・」とまなちゃんに言ったことがあったと記憶している。
しかし、その後一度たりとも鶴見緑地に行く事はなかったのである。

『素顔のままで』の初撮影では、極端な話どこで撮ってもよかったのである。少々乱暴な表現にな
ったが、あの時は今後二人で撮影を続けていく事に対しての感触を確かめ合ったという感じで、ロ
ケーションに応じた撮影などという段階ではなかった。
二人っきりの撮影会とでも言うべきだったかもしれない・・・

その後、第2弾からは、私なりに考えてロケ地を決めてきた。そして、その極めつけが今回の高野
町であると思っているのである。何故今まで気がつかなかったのか不思議なのである。
そう言えば、『素顔のままで』がはじまる少し前、去年の夏の事であるが、まなちゃんが里帰りす
る時に、私のクルマで連れて行ってあげようと思ったことがあった。その時は確か高速バスのチケ
ットを既に取っていたか何かで、その話しは無くなったのだが、あの時私には彼女の育ったところ
で撮りたいという想いがあった。
それが先日、実現したわけであるが、行って良かったと思うのである。

前回の水着撮影は島根県の浜田市であったが、そこもまなちゃんが来た事がある場所であり、いい
撮影ができたのだが、その浜田市の出身であるプロカメラマンの河野英喜氏と、メールのやり取り
があって、私が浜田で撮ってきたと言うことで、「タイミングさえ合えば、一緒に撮影ポイントを
案内しましょう」と誘っていただいた。
河野氏も実家のある浜田の話題で懐かしく思ってくれたのであろうが、この河野氏とのやり取りで
さらにまなちゃんの実家がある高野町に行ってみたいという気持ちが強くなった。

このロケ地というもの、見た目がカッコいいとか綺麗だとかの理由で決める場合もあれば、そこか
ら何が感じ取れるかと言う心情的な要素が強い場合もある。
今回の高野町は、後者でありながら前者の要素も多く含んでいるのだ。

まなちゃんのような、イメージの世界に自分を置く事ができるモデルの場合、このような心情的な
部分を生かしたロケ地選びが重要であると思うし、彼女の魅力を最大限に引き出す助けになる。
たとえまなちゃんであっても、多くのカメラマンを相手にするような撮影会では、カメラマンに対
する気遣いに追われて、集中することは難しいかもしれないが、いつもの相方である私であれば、
気心も知れているし、安心してモデルが出来ているようだ。私も、まなちゃんが気持ちよくモデル
が出来ることを第一条件として、考えているつもりである。

今回の撮影でまなちゃんが何を感じて、レンズの前にいたのか私にはよく分からないが、表情から
は作り物ではない穏やかさが感じられたのである。これだけははっきりと分かったのだ。

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