空気の重さ・・・


現在、まなちゃんとゆみちゃんという、個性的でありながらまったく違うタイプのモデルとの撮影
をしているわけだが、この対照的ともいえるタイプであることが撮り手としての私を楽しませてく
れている。

それぞれ、二人は自分の得意なパターンをしっかり持っていて、その領域においては他のモデルに
対して、完全なアドバンテージを誇っていると私は見ている。
でも、そればかりではつまらないので、二人とも色々なパターンを試す事を楽しんでくれている。
しかし、同じシチュエーションをこの二人に与えたとしても、まったく違ったモノになるはずであ
り。私もまた、それをこの二人には望んでいるし、その通りだと感じている。
といった、私の考えを書いたのは、今日の本題の序奏のつもりなのである。

で、本題であるが、まなちゃんが水着撮影の後編で白いシースルーの衣装を水着の上に着ていたの
は記憶に新しいと思うが、その衣装の提供者であり、プロのヘアーメイクさんでもある人がこんな
分析をしてくれている。
実際に彼女の腕が直接発揮される日も近いと思うが、その前に色々とやっているわけだ。

彼女は、こんなことを書いてきてくれている。その一部を紹介させてもらおうか。
紹介するのであるから、もちろんその内容に対して私が納得しており、しっかり見てくれていると
感じたからである。

 シャガールの絵って色をいっぱいつかってるけど
 なんだかその絵のもつ‘空気は’重くないでしょ?
 ピカソとかって重いでしょ?
 もちろん、画材や表現するものの違いなんだけど
 まなちゃんは割に線が細いから空気が軽い。
 で、ゆみちゃんははっきりとした主張のある
 輪郭をもったモデルだと感じてるんです、今のところね。


そうそう、そんな感じするよなぁ。
逆ではないかな・・・と思われる人がいるかもしれない。
その空気の重さって?と感じている人もいるだろう・・・それで、

 もちろん、ふたりともいろんな表現はできるとおもうけど
 まなちゃんはバックが自然の中であれ、部屋であれなんであれ
 存在感を残して周りとうまく溶け込む。
 ゆみちゃんは輪郭の存在がはっきりしててそこに周りがあるって
 感じがする。

これは、どっちが優れてるってことじゃなくて、彼女たち二人の個性ってことだよなぁ。
そこで、彼女はこの二人の両極端な位置から、中央の同じ平均的な位置に寄せてくれば良いと主張
しているわけでは決してない。
あくまでも、今の個性を生かしつつ、広がりを持たせてあげたいと考えてくれている。
私も、それが実現できれば、更に今の彼女たちの魅力が際立つのではないかと期待しているのだ。

今まで私は、まなちゃんとも、そしてゆみちゃんとも二人で考えて撮影を進めてきた。そのスタン
スを今後も崩すつもりはない。
しかし、そこにプロの現場で経験を積んだ目で、そして彼女達と同じ女性としてのサポートは非常
に有り難く思い、貴重であると考えている。

また、こうした意見は、私を通して二人に伝えられるだけではなく、ダイレクトに授けられること
で、的確に誤解なく事が運ぶと思っている。
それはヘアーメイクのアドバイスであったり、時には同姓としての話し相手であるかもしれない。
メイクをしたこともなければオンナでもない私が、いくら常日頃仲良くしても、してあげれないこ
とは当然あるし、モデルの女の子としては、プライベートでプロのヘアーメイクさんと仲良くなれ
ることは、願ってもないことなのである。

しかし、それは彼女が私と共に撮影しているモデルたちの才能と、モデルとしてではない部分の素
晴らしさを感じとってくれたからであり、それが私の撮影ではまったく利害関係が発生しないこと
にもつながっている。
世間では、「タダほど怖いものはない」とわれるが、私に言わせれば「タダほど強いものはない」
なのである。
すでに、まなちゃんとはメールのやり取りも進んでいるようだし、先日の衣装提供の後も服がよろ
こんでいると言われた。
感性の一致は当然のことながら、結局そういう部分なんじゃないかな。

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